他人のクルマえらび(2)

昨日のつづき。

シエンタの取り扱いはカローラ店とネッツ店。
ラウムの取扱店でもあるネッツ店の方が都合がいいや、ってことで移動の途中で見つけたネッツ店に立ち寄ってみた。

ネッツ店と言えば、ヴィッツやウィッシュといった売れ筋車種を山ほど抱えており、勝手にお客さんが訪れることもあって営業マンは客の注文をさばくだけという状況だ。
逆に言えば、あんまし積極的に営業をしなくても売れるディーラーであるということだ。
その弊害が悪い形に出ている。

ネッツ店はまともな接客ができないのだ。



こちらはラウムの実車が見たいと言っているのに、カタログしか持ってこず、仕方が無いからカタログを眺めている間一切説明をしようとしない。
若造ではなく、いい年した営業マンであるはずなのに、だ。
※実は、候補を予めチェックするために、数日前に同じく近郊のネッツ店を3店ほど回っていたのだが、どこも他の系列に比べて明らかに接客レベルが劣っていた。

一通りカタログを見て、「で、実車はどこ?」と改めて問いただすと慌てて確認に行き、展示・試乗車ともにないとのこと。
しょうがないので近くのディーラーで見れるところがあったら教えてくれと言うと、「夕方まで確保できない」とか平気で嘘を抜かしやがるし。
(他店を紹介するとそのまま客を逃すとでも思ったんだろう)
シエンタも同様に用意ができないとのこと。
頭にきたのでその場でネッツ店を後にした。

ラウムは当初Sさんより要件として聞いていた、リアゲートが上に跳ね上げるタイプではなく横に開くタイプだったので、その時点で候補からほぼ外れていたという理由もあるのだが。

帰りしな、Sさんとホンダの営業マンの気持ちよさを引き合いに出して、ディーラーの営業マンがいかに大切かを再確認したのだった。

そのまま昼飯も食わずに数百メートル離れたカローラ店へと押しかけた。
シエンタの実車はここにはなかったのだが、担当した50代ぐらいの営業マンは「近隣の店舗に展示車があるから」と、試乗車のラクティスに乗って移動してくれるという。
ラクティスはシエンタと車重こそ違うものの、運転フィールはかなり近いということで、擬似的な試乗を兼ねてみた。

Sさんが運転してアクセルを踏み込むと、いきなりビュッ!っと加速するぎこちない運転になった。
以前から感じていたことだが、トヨタ車のアクセルに対するレスポンスのセッティングは、アクセルを踏むとすぐに加速をするようなセッティングになっている。
車重が重ければそれでもいいのかもしれないが、コンパクトカーでこのセッティングはいただけない。
ちょっとアクセル踏むだけでも飛び出すように加速するので、主婦など運転に慣れてない人にとっては扱いにくいどころか、危険なセッティングでもある。
走りを売りにしたラクティスならともかく、「パパママ シエンタ」などと宣伝しているクルマまでこんなセッティングでは、トヨタの良識が疑われる。
たぶん、「信号変わった時の発進加速は鋭い方がいい」、っていうマーケティングの要望を受けてのセッティングだろうが、ガキっぽい&安っぽい印象を受けた。
CVTのセッティングと車内にこもるエンジン音も、モビリオに比べると1ランク下だな、っていうちょっとガッカリな印象だった。
コストの配分を使い勝手とか見た目に重きを置いているんだなぁ、という印象だ。
そんなにクルマをあれこれ乗ったりしないSさんも同様に感じたようで、なんとなくシエンタの見る眼も曇りがちだ。
5kmほど離れた別のカローラ店には、特別仕様のシエンタが展示してあったので、使い勝手を中心にあれこれとチェックしてみた。
結局、3列目シートについてはあまりこだわらないという結論にはなったのだが、シエンタに唯一魅力的なポイントがあった。

スライドドアの窓が開閉するのだ。

半分ぐらいまでしか下がらないが、それでも快適性は十分確保される。
Sさんにとってこのポイントはかなり大きいようで、モビリオにするかシエンタにするか、かなり悩んでいるご様子。

マイナーチェンジ前ということで、色やグレードはほとんど選べないが、その分魅力的な価格の提示が出ている。

さて、Sさん、死ぬほど悩んでみてくらはい。
クルマは、選んでいる時が一番楽しいんですから。

ってことで、とりあえず本日はこれにて撤退。
双方のメリット、デメリットをよく比較して、あとは奥様とじっくり検討してください、ということで終了となった。

クルマ(製品)としての志と大人の乗り味だったらモビリオ スパイク。
使い勝手と値段だったらシエンタ。

この2つの選択肢に、判断に必要な情報はだいたい与えることができた。
あとは、ある程度結論が出たら、最後の値引きや条件交渉をすればいい。
ってことでこの日はお開きになったのだが。

・・・2日後。

「ごめんなさい、決めちゃった」



っておいおい。
モビリオ スパイクに決めたんだそうな。
両車を載り比べた際の、奥様の印象は「スパイクがいい!」ってなものだったらしく。
だから最初から一緒に試乗に行けばよかったのに、などと詰めの値引き交渉が出来なかったことをグチりつつ、良い選択ができたようでめでたしめでたし、というお話でしたとさ。

お昼にとんかつ定食をごちそうになって、今回の他人のデカい買い物を横からチャチャ入れ大作戦は終了と相成りました。

さて、わたくし海鮮丼太郎は、こんな感じで他人様のクルマえらびのコンサルティングを請け負っておりますので、クルマえらびにお悩みの方はお気軽にご相談くださいませwww
 
 

この記事へのコメント

  • S

    海鮮丼さん、翌日も時間があったら是非一緒に逝ってほしかったのですが・・・
    いや~、本当に楽しかったッス。
    勉強になりますた。(即決しちゃったけど・・・(^^;)
    また、他のものでも物欲が目覚めたらおながいします。

    とにもかくにも、本当にありがとうございました。

    2006年04月23日 16:08

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