他人のクルマえらび(1)

200万近くの買い物なんて、そうそうするもんではない。
で、自分の懐を痛まずに高額な買い物をするのは楽しい。
ってことで、他人のクルマ選びの手伝いをしているのだが。
条件を聞くと、こんなことらしい。

 ・スライドドア
 ・コンパクトサイズ(全長4m程度)
 ・柔軟なシートアレンジ
 ・3列シート

ってことで、この程度の条件であればいろいろあるだろうと候補を探ってみたところ、意外と候補がない。

そんな中から選んだ候補がホンダ モビリオ、トヨタ シエンタの2車種。
3列シートのモビリオとシエンタ

保険の意味で、2列シートのホンダ モビリオスパイク、トヨタ ラウムの2台も候補に加えてみた。
2列シートのスパイクとラウム

ポルテ?なにそれ??

ってことで、朝からディーラー巡りへ出発。
 
それにしても、全メーカー探して候補がこれしかないというのはちょっと意外だった。
コンパクトなスライドドアって1007みたいにニッチではあるが狙い目だと思っていたが、市場的には不人気カテゴリらしい。
その証拠に、モビリオスパイクは特別仕様車がなくなりラインナップは統合され、シエンタも5月のマイチェンはホントに小変更でお茶を濁すようなテコ入れになっている。

事前にモビリオとシエンタは試乗まで済ませたのだが、購入者当人(仮にSさんとする)はまったくゼロからの検討ということなので、朝一番にホンダディーラーを訪れた。
そこに試乗車として用意されていたスパイクについてあれこれと説明を受ける。

クルマを検討する上で、目的を明確にすることと、妥協点をどこに見出すのかというのは非常に重要だったりする。
そんなわけで、ディーラーを訪れる前に検討者本人であるSさんに、こんな質問を予め投げておいた。

■以下の項目に優先順位をつけましょう
 ・静粛性
 ・燃費
 ・走らせての楽しさ
 ・運転のしやすさ(取り回し含む)
 ・スタイル
 ・ナビの性能
 ・荷物が積めること
 ・運転席、助手席の居住性
 ・2列目の居住性
 ・3列目の居住性
 ・シートアレンジ
 ・総支払額
 ・値引き額(下取含む)
 ・相性のいいディーラー(営業、メカニック含む)
 ・売れていること
 ・目立つこと(他の人が乗ってない)
 ・車内の掃除がしやすいこと

■以下の質問に答えてください
 Q1:なぜ3列シートが必要か?
 Q2:最大何人乗せることがありえるか?
 Q3:犬をどのように載せるつもりか?(犬を飼っているので)
 Q4:ちなみに、載せる一番大きいものは何?


Sさんの場合、シートアレンジ、走破性、居住性、燃費といった要素が上位に来ており、値引き、売れてること、ディーラーとの相性といった部分は下位に来た。
ここは人それぞれで考え方が異なるから、まずはこの点をしっかり押えておかないとアドバイスする上で余計な混乱を与えてしまうので、世のお節介さんは自分の好みを押し付けないように要注意だ。

さて、上記の内容を元に1回目の商談を進めた。

ある程度説明をうけたところで、モビリオ スパイクの試乗に出かけた。
以前出張でフィットに乗った時も思ったのだが、CVTの味付けが絶妙で、スルスルっと自然に加速していく。
フィットのそれに比べて車重が重いこともあるのだろうが、アクセルレスポンスは落ち着いたいい感じの挙動だ。
唯一気になったのが、電動パワステのハンドルを切ってもなかなかセンターに戻らない感覚があることだ。
普通、カーブを曲がって直進に戻るとハンドルは自然にセンターに戻るもんだが、モビリオ スパイクのハンドルはちょっと手でセンターに戻さなければならない。
フィットでは感じなかったんだけどなぁ…ここが運転していて唯一の減点。

モビリオとモビリオ スパイクの機能の違いを一通り聞いた後、Sさんに3列の必然性を改めて問い直し、スパイクの使い勝手をあれこれ確認する。
思っても無いところにもうひとつ問題発覚。
スライドドアの窓がチルトでしか開かないのだ。
犬を2列目に乗せるとすると、この窓が開かないという要素はSさんにとって大きなマイナスとなっているようだ。
ホンダの担当営業マンは知識も接客も優れていて、こちらの意図することはだいたい確認することができた。
売込みにも熱心だったが、とりあえず諸条件提示を受けて、次のトヨタ系ディーラーに向かうことにした。


そしてつづく。

この記事へのコメント

  • なおなお

    ほんと、他人の車選びは楽しい。
    そして、自分とのポイントの違いに驚いたりする。
    でも、冷静に考えたら(考えなくても)
    世の中の人の嗜好が同じだったら、
    同じ車しか売れませんがな。

    2006年04月20日 22:59

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