アイデンティティを捨てたスマート

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エコカー全盛にありながら、なぜか忘れ去られたように存在感を薄くしているスマート。
それなりに動きがあるのだが、それはなんとかスマートというブランドを独り立ちさせるための方策と思っていた。
しかし…

Smart announces new ForFour
New Nissan Micra-based five-door car for US market announced for 2012 launch.


苦戦している北米市場向けに、日産マーチをベースとしたOEM車を急遽調達、2011年中に発売するそうだ。

・・・。
スマートというブランドは、実施的にはもう破綻していると考えて良さそうだ。
その波乱の歴史を簡単にまとめると以下のとおり。


ダイムラーとスウォッチが提携してMCCを作った
  ↓
採算が取れないとスウォッチが撤退
  ↓
スマートクーペ(for two)発売
  ↓
ラインナップ拡大のために4人乗り(for four)など4車種を作った
(当時傘下だった三菱のコルトを流用して開発)
  ↓
赤字体質が改善できず、for two以外のラインナップを廃止
  ↓
しかしダイムラーとしてエコカーが必要でスマートを止められない
  ↓
世界的なエコカーブームで、売れるかも!と北米に新型for twoを投入
  ↓
中途半端なサイズで爆死
  ↓
単独での事業継続は困難と判断、ルノーと提携を発表
(次期型for fourとトゥインゴのプラットフォームを共同開発)
  ↓
2013年には投入予定
  ↓
それまで北米で売るものがない
  ↓
今回の発表

ということで、元々赤字体質であった事業をダイムラーグループとして単独で黒字化することもままならない状況になってしまったということ。
また今回のOEM調達は、北米市場でのfor two不振により売るものがなくなってしまったディーラーに対する救済の意味もあるので、ルノーとの提携した新型for fourが登場するまでの繋ぎとしての緊急対策ということ事情はわからないでもない。

ただ、曲がりなりにもスマートという独自性こそがアイデンティティであるブランドに対して、マーチにちょっとデコレーションを施しただけの車種をスマートバッジを付けて売るっていうのは、そのアイデンティティの否定でしかない。
ブランドイメージの固まっていない北米だけの施策ということでお茶を濁したいのだろうが、見る人はちゃんと見てるよ。

エコカーラインナップとして無理やり残されてはいるものの、スマートというブランドは単独では商業的失敗に終わり、ルノーとの提携でも持ち直すことは難しい。
そして、次の世代を以って、スマートというブランドは終焉を迎えるだろう。

しかし、だからこそ我々スマート乗りは、スマートが成し遂げようとしたことの理解者であり続ける必要がある。
シティコミューターとしてこんなに優れたプロダクトは無いのだから。
初代に限っての話だけどねw
 
 

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