アウディ、高級スポーツクーペ「RS5」投入
アウディジャパン(東京・世田谷、大喜多寛社長)は13日、高級スポーツクーペ「RS5」を発売した。
(略)
円高は輸入車市場に追い風になる。値下げの可能性についてアウディジャパンは「本社とは円建て決済だが、短期の為替変動で価格を変えることはない」としている。
RS5は高級モデル「A5」の上位車種。停止状態から時速100キロメートルに到達するまでの時間は4.6秒と高い走行性能を持つ。惰力走行中や減速時に蓄えた電力を加速時に活用する「エネルギー回生システム」を採用し、燃費性能を向上した。1リットルあたりの走行距離は7.8キロメートル。価格は1204万円。
富裕層向けの商品というのは、高額であればあるほど価値がある。
アウディがブランド全体として富裕層向けのマーケティングを展開しているのは周知の事実だが、それを裏付けるような心強い発言が。
本来であれば、商品を適切な価格で販売することが支持を広げる最も正統的なマーケティング手法ではあるが、それはあくまでも対象が一般消費者向け、という前提が伴う。
時計にしろ、宝飾品にしろ、不動産にしろ、世の中には値段が落ちるとその価値が失われるものがあるわけで、アウディのクルマも高い価格を維持することで、富裕層に安心して購入できる雰囲気を演出していると言える。
それゆえに、簡単に価格の見直しをしない方針というのは、筋が通っていると言える。
(2年も3年も円高が続くとなるとさすがに見直しをするだろうが、恐らくそれはモデル切り替えの時期に行われるはずだ)
ただし、高い値段を維持することで数を売りさばくことが出来るほど世の中甘くはない。
ゆえに、大抵の場合は商品の価格そのものはいじらずに、諸費用や値引きでお買い得感を出すような工夫をしている。
たとえば不動産などの場合、物件価格そのものを下げると資産価値にも影響が出てしまうため、物件を早期に処分したい場合は購入に掛かる諸費用(税金など)を販売会社が負担するような形で商談を進めることが多い。
他にも家電品○○万円分プレゼントとか、そんな感じね。
クルマの場合も同様で、車両価格は高いけど、けっこう値引きをするのがアウディのやり口だったりする。
要は、「総支払額がいくらになるか」という点が重要なので、決算期などになるとびっくりするぐらいの値引きをしたりする。
また、いくら値引きされたかというのは、特に輸入車の場合はオーナー自身のプライドもあってか、その額をオープンにする人は少なく、結果として「あの人は高いクルマに乗っている」というステイタス感の演出が可能になる、ということだ。
アウディのようにブランドとして富裕層向けを明確に打ち出しているケースもさることながら、我らがプジョーさんにも同じ事例がある。
先日価格改定が行われた308シリーズにあって、308ccだけは価格が据え置かれたのは、上記のアウディの発想と同じく、富裕層向けの商品戦略ということになる。
このこと自体は別に悪いことだとは思わないので、商品の性格に合わせて戦略を立てていけばいいと思いますです。
[2010.09.16補足]
とかなんとか書いてたらこのザマだよw
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ただ、307からアウディのA3に乗り換えるオーナーが結構いたりするのだが、彼らはちょいと肩身が狭いというか、居心地の悪さを感じているんじゃないかなぁ。
アウディのラインナップの中にあって、唯一スポーティかつ手の届きやすいA3シリーズもどんどん高級化路線に行ってしまうと、プジョー卒業組の受け皿がなくなってしまいそうな気がしてならない。
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