日本の中古車はどこへ行くのか?
不人気車や(日本人から見て)程度が悪く買い手がいないような中古車は、スクラップ処分にされているとでも思っているとしたら、そうじゃないよってな話。
というのも、数年前まではロシア向けにずいぶんと輸出されていた、という経緯があった。
特に新潟とウラジオストックとの貿易は盛んで、定期的に商船が行き来して国内ではあまり価値の無い中古車(5万kmオーバーや不人気車など)を嬉々として買い付けていく光景がよくニュースにもなった。
実際、おいらが新潟を訪れた際にも、ピークが過ぎたとはいえ、新潟港周辺にはロシア向けに貿易を営む業者のヤードに、商用バンや初代CR-VなどRV系と、不人気のセダンなどが並べてあった。
ロシアで、特に極東地域のウラジオストックなどでどれほど日本車が普及しているかというのは、戸井十月のユーラシア大陸大紀行の終盤で目にすることができたが、誇張でもなく半数以上が日本車というような状況だった。
(笑ったのが、福山通運のロゴそのままの大型トラックが元気に走り回っていたりする)
壊れない。メンテがしやすい。安い。
こんな日本車への評価が、彼の地での絶対的な信仰に繋がっていることは容易に想像がつく。
しかし、ロシア政府が国内産業保護の観点から、日本車の輸入に高い関税を掛けられるようになって、対ロシアとの中古車貿易が一気に冷え込んでしまった。
現状の関税率はJETROのページによるとこんな感じ。
a. 乗用車(HS8703):5%または35%、但し、製造後5年以上経過車は排気量(1 cubic cm)当り2.5EUR、2.7EUR、2.9EUR、4EUR、5.8EUR(以上ガソリン車)、2.7EUR、4EUR、5.8EUR(以上ディーゼル/ セミディーゼル車)と、シリンダー容積(cc)当りの従量税が課されます。この措置により、ロシアでの日本車の中古価格は3~4割ほど上昇してしまったという。
それに加えて、VINコード(車体認識番号)規制により、実質的な日本車締め出しの政策をプーチンが打ち出していたことからどうなるもんかと思っていたら、一応この規制は撤回された模様。
露政府 日本車規制見送り 「社会の緊張高まる」理由に
しかし関税はさらに高められる模様で、これでは実質的にロシアとの中古車の貿易が成り立たない。
国内ではスクラップインセンティブ(経年車の廃車を伴う買い替え補助金制度)により、程度のいい中古車が激減している状況があるが、いずれまた中古車がダブつくような事態になると思われるが、その受け皿となってくれていたロシアとの貿易は、産業がなかなか育ちにくい日本海側の都市にとっては重要であり、日本政府としてもロシアとの外交においてこの問題を解決するよう働きかけるべきじゃないかと思う。
こういうことこそ、補助金に頼らない自立した地方都市を目指すために必要な政策だと思うんだけどなぁ。
寂れゆく新潟の街並みと、かつては賑わっていたであろう中古車ヤードをこの目で見ると、(多少治安悪化の懸念があったものの)この貿易の火を消しちゃいかんなぁと思った次第。
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