ドライビングレッスンとLOVECARS(1)

 
先週金曜日に河口まなぶのLOVECARS!TV(Ustream)を見ながらtwitterを通じでいろいろと課題を投げかけさせてもらったのだが。

こんなイベントが開催される。

「走る!語る!まなぶ!3 with LOVECARS!」9/11に開催決定!

ツインリンクもてぎを、30名の参加者にトレーナーが付いて、週末に8時間近く走行するという講習会の参加費が、23800円(だったかな?)というのは、相場からするとものすごく安い。
通常であれば、この料金であれば2~3時間程度しか走行できないなんてケースもあったりするので、おそらくこの料金では利益なんかはほとんど出ていないだろう。

コースの安全性を確保するための要員や、施設維持費、週末という稼ぎ時ゆえに跳ね上がる利用料金(ゴルフ場の平日と週末の利用料金差をイメージすればわかるだろう)からすれば、本来であればこの倍ぐらいの価格であっても不思議ではない。
参加者を増やせば単価も下げられるだろうが、あまり人数が増えると一人あたりの走行時間が制約を受けたりするから、進行上30名というのが現実的な人数なのだろう。
(ブリヂストンのタイヤセーフティドライビングレッスンも、20名x2組=40名進行だった)

それでも河口まなぶがこのイベントを実施するのは、やはりクルマは走らせてなんぼであり、特に普段遭遇することの少ない危険なシチュエーションを自分のクルマで体験しておくことの重要性を理解しているからだと思う。

自動車ジャーナリストは数多くいるが、こうして実践的なプログラムを自ら開催するような人物は稀であり、試みとしては最大限に応援したい。

幸いなことに定員を超える申し込みがあったとのことで、3回目の開催も無事に行うことができそうだ。


ただ、率直に思うところとしては…

それでもやっぱり、クルマだけが趣味ではない人間にとって、1日のイベントで23800円というのは参加を躊躇してしまう金額である、と思うのだ。

様々なシチュエーションを体験するためには、専用の施設が必要であり、そのためにサーキットを利用しなければならない、ということは頭ではわかっている。
自分のクルマが限界域でどういった挙動を見せるのかということを、体験したいという気持ちもある。

しかし、少ないこづかいからやりくりするには、23800円分の価値があるのか?もっと下世話に言えば、元が取れる体験ができるのか?この辺をシビアに見てしまうのは止むを得ない部分がある。

運営側の努力で価格を下げるには、レッスン時間を短くするぐらいしか残されていない。
しかし、せっかく遠路はるばるサーキットまでやってきてドライビングレッスンを受けるのなら、やはりメニューは充実していて欲しい。

じゃあどするのか?
そんな時こそ、各メーカーの出番ではないのか?

これは以前に書いたことの繰り返しになるが、こんな時こそ各メーカーは協賛という形で、自社のクルマでレッスンを受けようという人に割引制度を設けてみてはどうか?
たとえば今回のイベントでは自社のクルマで参加した人には受講料の20%を還元、とかスポンサードをするのは、そう非現実的な話ではあるまい?

一部の輸入車メーカーでは独自にドライバーズクリニックを開催していたりするが、プジョーのように自社でそうした試みを行っていないメーカーは、たとえば今回の試みに協賛することでインセンティブを設け、他の参加者に対してもブランドアピールをすることができるじゃないか、と。

国産メーカーだってそうだ。
たとえば、今回の会場はツインリンクもてぎだが、だったらなんでホンダは自社のクルマで参加してくれる人に対して割引の方針を打ち出さないのか?

マーケティング部門との調整が必要なことぐらいわかっている。
しかし、クルマの魅力を再認識させることが重要なマーケティング課題になっている今の状況であれば、部門を越えての協調が必要な時期ではないか?
ちなみに、たとえば5名の参加者に20%OFFのスポンサードをしたとしても、たかだか3万円以下の費用で済む。
こんなのは部長決済でサクっと進めるような話じゃないか?

トヨタのようにモビリタといった専用の施設を持つメーカーは、可能な限り参加の敷居を下げて、そうでなメーカーは外部イベントへの積極的な協賛を。

今の時代、こうした地を這うようなマーケティング施策が必要だ。

目標は、この内容のイベントを10000円程度で開催できるようにすること。
そのためにあらゆるコネと知恵を使って、実現の道を模索することこそが、各メーカーに課せられた課題であり、またこれを先導するのはLOVECARS!というムーブメントであるべきだ。

LOVECARS!の方向性を模索している河口まなぶ氏には、上記の内容を提案したい。


この話、ちょっとつづく。
 

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