あなたが選ぶカーオブザイヤー、あえなく終了

 
ぼちぼち今年度の1番を決めましょうというお祭りの準備が始まるわけですが、その影でひっそりと終了するものもありまして…

あなたが選ぶ カー・オブ・ザ・イヤー(CCC)
2006年8月にオープンし、消費者の皆さまの一票による投票で当該年度における最も優秀な車両を決めるという画期的な試みとして立ちあげましたが、2010年8月31日(火)をもちまして、サービスを終了することが決定いたしました。

あなたが選ぶ カー・オブ・ザ・イヤー実行員会として、サービス終了のお知らせを出さなければならないことは誠に残念であり、また、会員の皆様に対して、大変申し訳なく思っております。


CCCの失敗の最大の原因は、「消費者が選ぶ」という根本的なアイデンティティの部分にあったと言える。
結局のところ、この手の人気投票はクルマ好きを自認する偏った思考の持ち主たちによって支えられていると言っていい。
しかもクルマ好きといってもさまざまであり、一番の問題は評価軸が定まっていない烏合の衆の意見を寄せ集めても、結局のところ選考結果に何らかの主張を盛り込むことは出来ないと言う点ではないかと。

たとえばベストカーのようなアレな読者の多い雑誌でCOTYを決めようとすれば、それは“ベストカー読者”というクラスタにおける選考結果ということで、良くも悪くもなぜその選考結果になったのかという点がわかりやすく、また対外的にもアピールしやすい。
この程度のクルマ好きが読む雑誌なのね、ということで。

同じようにWeb媒体でもみんカラが主催すれば、同じく“みんカラクラスタ”に属する人々の出した選考結果ということで、これも理解が可能だ。
もうおわかりだろう。
COTYやRJCの選考結果に対して毎回不満の声が上がるが、それを選んでいる選考委員がどういうクラスタに属しているかという点から導き出される選考結果であり、それに対してワーワーと外野が騒ぐのは、その選考委員のバックボーンに対する不満も含めての話になるわけだ。

CCCの成り立ちは、このCOTYやRJCの選考結果が消費者の嗜好と乖離している、だったら消費者主導のアワードを作ろう、みたいな感じで企画されたのだろう。
16の加盟媒体が主導となって、選考委員として登録した一般消費者に対して各種情報提供を行い、それを自社媒体への誘導に繋げる、と。

しかし、広く消費者の嗜好を集めて投票に繋げたいという試みはうまく回らず、いつものようにアレな連中によるアレな選考結果になってしまった、と。

この手のアワードは、選考結果を通じて対外的に自分達の存在をアピールすることが最終的な目的になるわけだが、その選考結果に意味を持たせられない以上、社会に対する影響力を行使することはできない。
そんなわけで、存在意義を見出せなかったからこそ、サービス終了という話になったわけだ。

昨年こんなことを書いたが、やはり今もその気持ちに変わりはなく、結局CCCとは何だったんだろう?という疑問を持ち続けるのみでありましたとさ。

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