PSE騒動が落ち着いたらこの問題ね。
法案が提出された頃から注目していた問題だけに、何を今更という気がしないでもないのだが、
朝、ラジオを聴いていたらTBSの記者がPSE騒動を引き合いに出して、
『PSEもそうだったが、法律の影響についてきちんと議論を行ってこなかった事が問題だ』
といった旨の話をしていた。ちょっと待て。
おいらもリアルタイムですべての情報を追っかけてきたわけではないが、これだけはハッキリ言える。
法案が提出されていた時、問題提起をするマスコミはほとんどなかった
ということだ。
この法案提出が話題になった時、2ちゃんを始めとして、ネット上でいくつか検証が進められており、それらの議論からこの法律のおかしな点はいくつも指摘されていた。
(2ちゃんねらー自体がクルマ保有率が低いためどちらかと言うとざまーみろ的論調が多かったのは笑えたが)
しかし、この件について比較的まじめに記事にして警鐘を鳴らしていたのは、マガジンXぐらいだったと記憶している。
駐車違反の取締りを民間委託することによる矛盾点、懸念点について、もっと議論を広めようという一部の市民レベルの行動は結局メディアで取り上げられるようなムーブメントになることはなく、結果として法案は成立した。
唯一反応したのは、株式市場で駐車場関連株が軒並み上昇したというところが皮肉っぽくて笑えるが。
そして、こうして施行まで2ヶ月というタイミングで急に騒ぎ始めるところなど、PSE騒動の火のつき方と同じだ。
PSE騒動については、おいら自身存在をまったく知らなかったため多くを語れる立場ではないが、この民間委託の問題に関してはマスコミが意図的に避けてきたという確信がある。
(もしくは、法案がこのような形で運用されるということを記者が大きな問題として理解できなかっただけかもしれないがw)
過去にも書いたように、
・クルマ、買いますか? (2005/12/17)
・別にクルマ持ってなくてもいいしね (2006/2/8)
この問題で今年度の自動車販売は昨年よりマイナスに転じることだろう。
そして、自動車を保有することの意味というものが改めて問い直され、結果としてクルマを手放す層も都市部では確実に増えるだろう。
物言わぬ納税者としての優良顧客であるドライバーの離脱は、税収面でも少なからず影響を与えるはずだ。
犯罪の検挙率を高めたいから、警察官のリソースを捜査にシフトするために駐車違反の取締りを民間委託する、といえば聞こえがいいが、ひとつの問題がすべての問題ではない。
取締りのガイドラインはこれから具体的になってくるだろうが、結局混乱は収まらないまま施行の日を迎えることになるだろう。
今まで意図的に報道してこなかったんだから、マスコミはこの問題について大キャンペーンを張ってくれることを期待するとしよう。
それと、ニュースソースを大手メディアに頼る時代の終焉を感じずにはいられない、そんな今日の出来事でしたとさ。
この記事へのコメント
デンジン
それはさておき、私としては、都市部(主に東京)のドライバーが減るのは、やぶさかではございません。
実際のところ、商用のタクシーやトラックだけで幹線道路の一部は十分キャパシティを超えていますし。騒音や公害もそれに比例するわけですし。
また、車のオーナー数が減るというのもやぶさかではございません。
私のように、普段ろくに乗りもしないのに無駄に車を保有しているエセ中流意識層が減るのでしょうし。
運転手付または都心の駐車場もち、そして駐車料金など屁でもない、裕福な層だけが車を持つようになり、税収は減るけどレクサスやBM・ベンツが大もうけ。といった構図でしょうか。
やたらに大量に出回っている、マイカーとして安い車が売れなくなる、というのは、ある意味で正しいことなのかもしれませんよ。トラフィック量にしても資源の浪費についても。
以上、駐車場以外の場所には滅多に駐車しない善良な都内小市民ドライバーの声でした。