で、ひさびさにナムコゲームス(月額315円)に加入して、いろんなゲームをプレイしている。
ナムコゲームスというと、80年代の名作ゲームを中心に、リッジレーサーやら風のクロノアやらテイルズシリーズ番外編やらのラインナップに加え、需要のあるミニゲームのラインナップも揃えているが、基本的な路線は“回顧厨”(過去を懐かしむプレイヤー)向けのサービスになっている。
実はこの回顧厨というのがクセモノで、口は出す割にお金を出さないという人種だったりする。
回顧厨の属性は、40歳前後を中心に広く分布している、いわゆる80年代レトロゲーム世代ということになる。
それなりに社会的ステータスを身につけてはいるものの、価値基準がシビアでお金を掛けるものとそうでないものが両極端だったりする。
彼らのゲームに対する思い入れはかなり熱いものがあり、好きなレトロゲームが移植されるプラットフォーム(ゲーム機)はすべて手に入れる、みたいな気合の入った連中だったりする。
たとえば、ヤフオクでゲームグッズに数万円の入札をするかと思えば、月額300円のケータイゲームサイトへの加入を嫌がったり、といった感じ。
当然、移植されるゲームのクオリティには人一倍うるさく、ちょっとでもオリジナルと異なるようなところがあれば、罵詈雑言を浴びせてくる。そんな連中だ。
“そんな連中”にこの俺様ちゃんが含まれているのは言うまでもない。
ファミコンのリバイバルなどで00年代初頭に「レトロゲームブーム」が到来した。
この頃は、レトロゲームを題材とした移植モノ、グッズ、CDなんてものがそれなりに売れて、ケータイゲームにもその波が押し寄せた。
レトロゲームで多くの名作を生み出したナムコは、このビッグウェーブに乗るために多くのゲームをケータイ向けにリリースした。
もちろんコナミやセガも追従し、ゲームはケータイの魅力のトップに君臨する形で社会現象にまでなった。
まだNintendoDSやPSPが世に出ていなかったのだから、持ち歩いて遊べるゲーム機としてのケータイはそれなりの魅力を持っていたわけだ。
それからしばらく経って。
それまでのゲーム機が通ってきたのと同じ道をケータイゲームも辿るようになる。
よりリッチなゲームを求めるプレイヤーに応えるために、高度化していくゲーム。
それに着いていくことの出来ない連中のカジュアルゲームへの移行。
プレイヤーの二極化が進んだ。
ゲームを高度にしていくと、先進的なプレイヤーを満足させることはできるのだが、逆にその全体のパイはだんだんと先細りになってしまう。
わかっていても止められない。
大手メーカーもカジュアルゲームのラインナップを拡充していくものの、カジュアルゲーム専門でやっているGモードなどのサイトには敵うわけもなく、ユーザー離れが進んだ。
任天堂がNintendoDSやWiiによって、ゲームの本当の楽しさとは何か?という問いかけをし、カジュアルゲームにも光が当たったことにより、大手ゲームメーカーが作るゲームからカジュアルゲームへと主役が交代したのもこの時期だ。
しかし、Gモードの迷走などを見てもわかるとおり、話はそう簡単には終わらない。
カジュアルゲームといえども月額料金をもらって提供していた従来のサイトに対して、モバゲーという無料ゲームを全面に押し出したサービスが登場したからさあ大変。
カジュアルゲームは比較的簡素なゲームが多いため、代替が利きやすい。
要は、時間がつぶせればいいのだから。
サービス開始した当時のモバゲーで提供されていたミニゲームは、本当につまらないものが多かったが、無料の暇つぶしであれば許せる、と多くのプレイヤーが感じてしまった。
加えてSNSによるコミュニケーションが可能ということもあり、モバゲー内をうろうろしていればあっという間に時間を浪費できることから、主にお金の無い10代を中心に加入者が増えていったのは皆さんご存知の通り。
こうして有料でカジュアルゲームを提供するようなサイトもだんだんと収益に苦しむようになり、主役の座を無料ゲームへと譲っていくことになった。
話がなげーな。
まだつづく。
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