
ダイムラー、スマートブランドをてこ入れ
ダイムラーは26日、9月1日からスマートブランドを新体制に移行させると発表した。
新体制では、メルセデスベンツの乗用車部門の中に、新たにスマートブランドの商品開発セクションを立ち上げるのが柱。ダイムラーによると、スマートの商品開発をいっそう強化するのが狙いという。
(略)
メルセデスベンツの今年上半期(1~6月)世界販売は、前年同期比15.2%増の55万6700台。一方、スマートの上半期世界販売は、17%減の5万0700台にとどまっていた。ダイムラーは新体制で、スマートの販売拡大を目指す。
ってことで、スマートが不振だ。
国内での販売は月販100台前後と低迷しており、その原因の多くは販売店(メルセデス店)のやる気の無さと商品力の無さに集約されるが、世界的に見ても不振ということになると、撤退するかテコ入れを図るかしなければならない。
ダイムラーグループにとってのスマートは、低CO2排出ならびに燃費に優れたエコカーラインナップとして、外すことのできない存在になっている。
(エコカーをラインナップしておかないと、大型で燃費の悪い車の多いダイムラーグループは、欧州で懲罰課税をされてしまうため)
スマートは初代のシティコミューターとしての性格が評価されて、それなりに台数を販売してきたが、その独特の車体構造から量産効果を生みにくく、それが結果として事業採算としては赤字になってしまっている。
そこで4月にルノーとの資本提携することで、次世代スマートのプラットフォームを共有し、量産効果を上げようと計画している。
2代目スマートが妙に高級路線に行ってしまったことで、その存在感が中途半端になってしまったことを踏まえて次世代スマートにどう反映していくのか。
スマート、とりわけ2人乗りのfortwoの魅力は、“気軽に乗れるシティコミューター”というところにあり、過度な装備もアウトバーンの高速安定性能も必要ない。
それよりも初代がそうであったように安く、パネルの交換によって好きなカラーにカスタマイズできるようなポップなクルマとしての可能性を追求していった方が得策な気がしてならない。
ダイムラー自身がどうやってスマートを売っていったらいいかわからなくなっている状況にあって、こうして専門の部署を立ち上げるということは、現状を改善するつもりはどうやらあるようなので、原点回帰をしてもらっておいら達がふたたび「乗りたい!」と思うスマートを出してほしいと切に願う今日この頃。
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