プジョーと三菱の資本提携の話が流れた

 
三菱自、仏プジョーとの資本提携見送り
三菱自動車は3日、交渉を進めていた仏プジョー・シトロエングループ(PSA)との資本提携を見送ると発表した。
 三菱自動車の益子修社長と、PSAのフィリップ・バラン会長が2日にジュネーブで会談し、合意した。
 そのうえで、両社は3日、「現在の事業環境下では現実的でない」とする共同声明を発表した。業務提携交渉は継続するとしており、小型車の共同開発や、インドなど新興国市場の開拓で協力する見通しだ。

まぁ、こんなところでしょう。
資本提携での効果は不透明であるし、三菱グループが引き受けた優先株の配当をどうするかなど問題も多いので、技術提携によるOEMで関係を維持するのが両者にとって(というよりは、限りなくプジョーにとって)いい話だ。

三菱自動車の一番の問題点は開発力だ。
EVへと舵を切っているため未来の技術に対してのアドバンテージはあるものの、時代はHEV⇒PHEV⇒EVと段階を踏んでの進化をすることは明白であり、日銭を稼ぐという視点で見た場合の三菱自動車がEVで利益を確保できるようになるのはまだ当分先の話だ。

その間を繋ぐには、競争力のあるコンパクトカーから多目的車までをフルラインで揃えねばならず、特にコンパクトカーの商品ラインナップの刷新は急務になっている。
(ランサーバンは日産からエキスパートのOEMを受けてるのね。町で見かけてびっくりした)

先日RVRを発表したことで、コンパクトSUVというカテゴリを埋めることができたが、競争力を落としているコルトをどうするのか、また軽自動車のラインナップはどうするのかという問題点に対する回答が待たれる。

その答えとして、低価格車の開発を進めているとの話があるので、これを積極的にOEM展開することで、三菱自動車のメリットを活かす道を模索するのもいいだろう。
PSAに対しても、107後継としてOEMする道もあるだろうし、それよりも安価にして新興国向けに展開するという道もあるだろう。

いずれにしても、市場が評価するほどの(現在の)企業価値は、三菱自動車にはない。残念ながら。
ここでPSAと資本提携していたら、当座の資金繰りには困らないかもしれないが、提携効果を模索するために3年近くをムダに過ごすことになるだろう。

それよりは、企業として健全な状態を回復した後に、より付加価値を付けて資本提携の道を模索するなりすればいい。
幸いにして、まだまだ三菱グループ内需要である程度の数を捌けるのだから、今はそれでいいんじゃないか、と。

いや、別に三菱自動車に潰れて欲しいとか思ってるわけじゃないよ。
日本のクルマメーカーとして生き残る道を模索してもらいたいと思うだけなので。

P.S.
ロイターからもう少し詳しい記事が来た。

仏プジョーとの資本提携破談、優先株めぐる三菱側の思惑外れる


この記事へのコメント


この記事へのトラックバック