Type1(初代ビートル)が65年もの間生産され続けてきたのに比べればえらく短命だな、などと言うのは酷というものであって、ゴルフのプラットフォームを使用して開発されたNewビートルも、12年という現代のクルマにおいては比較的長寿命ではあったものの、年内での生産終了がアナウンスされた。
それを記念して最終の特別仕様が発表となった。
主要ラインナップがDSGだ、TSiだと次々進化しているのに対して、古いプラットフォームを使用しているNewビートルは技術的に進化させる余地が残っていなかったこともあり、生産の効率化のための止む無き判断というところだろう。
この手のレトロ復古のプロダクトとしては、同様にフィアットがチンクエチェントを、BMWがMINIを復活させたりしている。しかし、MINIに関しては、たった5年でさらに新型にモデルチェンジしている。
どちらかといえばデザインに特化したパイクカーの趣があったNewビートルに対し、BMW MINIは、真剣にあのサイズのクルマを成立させるために投資をしているという、同じレトロ復古のコンセプトでありながら異なる発展を続けている。
その中間にあたるのがFiat500といったところか。
で、そのNewビートルだが、別にプロダクトがなくなってしまうわけではない。
すでに新型NewNewビートル(っていうのか?w)の開発が進んでおり、2011年後半には登場の予定だ。
あくまで予想CGではあるものの、かなりマッシヴなスタイルになりそうなので、Newビートルの女性ウケしそうな要素はかなり後退してしまうことが予測される。
レトロ復古で一定の客層は掴めたものの、パイクカー的なNewビートルから、より実用車へのシフトを目指すことになるが、それで失ってしまうものも多いのではないかと思う。
Newビートルのデザインをもっとも特徴的に表したのはコイツの存在だろう。
ポケモンの世界的ブームと時を同じくしたという幸運があったものの、Newビートルをピカチュウアレンジするというのは、その素材としてのNewビートルのデザインが優れていたことは疑いようも無く、このピカチュウこそが、Newビートルのイメージを決定付けたと言っても過言ではない。
新型のNewNewビートルで同じものを作ろうとすると、妙に筋肉質になったアメコミ調のピカチュウになってしまい、ポップという感じからは離れてしまう。
VWの世界制覇がこれから始まろうとしている中で、VW内の自らの覇権主義に対するカウンターカルチャーとしてのNewビートルであって欲しいと思うのは、おいらだけではないと思うんだけどね。
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