ラジオ女子の可能性

 
ラジオ女子、聴取率を牽引 中学生、テレビやネットじゃ物足りない?

ひさびさにラジオの明るい話題を見た気がする。

新しいリスナーの獲得には、10代というのは最重要ターゲットではあるのだが、ここ長らく10代のリスナーは低迷を続けてきた。
主にテレビに取られていたことになるわけだが、今の10代はネットの環境を手に入れたので、もはやラジオは頭を抱えて死を待つしかないかと思われていた。

しかしラジオ番組はお笑い芸人やアイドルにとってはポジショントークを求められるテレビと違って、素直に自分の語りたいことを語ることができる媒体として、長らく重要なポジションを担ってきたという側面がある。
ただし、それがリスナーに届いていなったというのが問題だったわけだが。

しかし、上記記事のようにラジオを聞く習慣のなかった女子中高生が、その困難を乗り越えてまでラジオを聞きたいと思ったのには理由があると思う。

ひとつはテレビ番組に飽きてきたということ。
そしてもうひとつが、女子中高生はネットへの接触手段をケータイに依存しているということだ。

ネットの時代になって、ラジオの代替としてポッドキャストとネットラジオの存在が広く知られるようになったが、これらは基本的にPC上で聴取するか、もしくはダウンロードしてメディアプレイヤーで再生するというスタイルをとる。
そのため、ケータイでネットラジオやポッドキャストを聞くことはほとんど出来ないという現状がある。

ケータイからアクセスできる掲示板などで好きなタレントの情報交換をすることはできても、ポッドキャストにリーチできない女子中高生は、家庭に転がっているラジオに目を向けるのは必然と言えなくもない。

この辺、男子は少し状況が異なる。
もともと深夜ラジオを支えてきたのは10代男子だったのだが、ネットの普及によって彼らはケータイを持ちつつも、より多くのことが出来るPCを扱うようになり、ラジオよりはポッドキャストを、またリッチなコンテンツである動画系サイトの活用が広まっている。

つまりこの調査の結果はリテラシーの差と言うこともできるが、結局のところは媒体はなんであれ、面白いコンテンツを作り、発信していくことでリスナーを掴むことができるという当たり前の結論に行き着く。

ただし、ラジオという存在が今まで忘れ去られていた状態から、少なくとも10代女子の選択肢のひとつに入ったという現状は、これからの大きな可能性を秘めている話だと思う。

この記事がYahooのトップに掲載されたことも、ラジオ全体にとっては追い風だ。
そう、ラジオには良質な番組がある。ただその事実が知られていなかっただけの話だ。
あとは、番組の魅力をどうやって伝え続けていくことができるか。
現場の人々は気を引き締めて制作に臨んでいただきたい。
 

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