今日の日経朝刊のトップにプジョーの文字。
ってことで、プジョー(PSA)が三菱自動車(MMC)に出資する方向で話が進んでいるなんて記事が。過去にも提携の噂はあったので、別段驚くことではないが、関係者は否定しているw
三菱自、そういう事実はない=仏プジョー出資報道で広報担当者
正直な感想を言うと、PSAはババを掴まされた感じがする。
ダイムラーとの資本提携解消後は三菱グループによってなんとか支えられてきた三菱だったが、iMiEVによって環境対応車で先行しているイメージがあるものの、三菱にとって収益に結びついていない現状を考えると、現時点において必ずしもそのバリューは高くはない。
また通常ラインナップの新車投入が長らく途絶えている状況からも、三菱の開発体制がいびつな状況になっているのは誰が見ても明らかだ。
過去にも書いたとおり、iMiEVは市販された段階でもう過去のクルマであり、新たな開発を広域で進めていかなければならない反面、EVやハイブリッドが主流になるまでの間をつなぐ通常ラインナップも滞りなく投入しなければならない。つまりは現在と未来の両輪が必要になるわけだ。
PSAが出資によって三菱を傘下に収めるということは、この両輪を支えるための投資が膨らむことを意味する。
仮にプラットフォームの相互供給をするとしても、その効果がカタチとして現れるためには最低でも3年は掛かるだろう。
明るい未来を想像するよりも、どうやって今日の日銭を稼ぐのか?というのが今の三菱の根本的な病巣だ。
PSAがそれを支えられるんだろうか?
国沢あたりが喜ぶのも癪なので三菱をあんまり悪く言いたくはないのだが、三菱が通常ラインナップを手薄にしてまでiMiEVに注力したのは、環境技術をアピールして見た目の企業価値を高め、高値で買収してもらうための工作活動だったと思われても仕方がない面がある。
ルノーは日産のリソースを食いつぶしてルノーグループの企業価値を高めたが、PSAは三菱を得ることによって何を成そうとするのか。
三菱の見るべき資産は、iMiEVを軸とした環境&四輪技術と北米&アジア新興国市場。
PSAの主力である小型車ラインナップとの相互補完や、欧州やアフリカ市場市場などバッティングする要素は少ない。
しかし、世界第6位になるとはいえ、この直近3年をどうやって乗り切るのか。
PSAにじっと耐えるだけの忍耐があるのかは未知数だ。
ただ、両者の企業イメージは、ダイムラーとの提携の頃に比べれば明確な方向性を描きやすい。
願わくば、走る楽しみを提供してくれる会社として、ドイツ勢と並んで存在感を発揮してくれることを期待したい。マツダとフォードの関係がそうであったように。
ちなみに、三菱は来春発売の新型車(アウトランダーより小型なSUV)のネーミングに、なつかしの『RVR』を復活させた。
初代RVRはいいクルマだったね。
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なおなお