タイヤを選ぶこと

 
ブリヂストンがF1撤退するとのこと。

ブリヂストンがF1から撤退 経営環境悪化で

F1という虚栄のスポーツにあって、タイヤという部品は、高速で移動する物体にグリップを与え、極限状態で「走る」「曲がる」「止まる」性能をアピールする恰好の舞台であったと思うわけだ。
他の要素と違って、培った技術を民生用に転用しやすいという意味においてもね。

経営環境の悪化が原因というが、その背景には世界的な景気減速で販売が落ち込んだというより、アジア諸国で開発される低価格タイヤに押されて販売を減らしているという構図がある。
それ故に、経営環境悪化を言うのなら、アジアンタイヤとの違いを実証をもってアピールするとかしろよ、とか強く思うわけだ。

ブリヂストンの業績低迷に思うのは、高くてもいいモノを買って長く使うか、粗悪だけど安いモノを買って短いスパンで回すか、の違いで消費者が後者を選んだということなのだろう。
後者というのはアジアンタイヤを指す。ただし、複雑なのは有名ブランドが中国で生産しているタイヤというのがあって、それらはそこそこ安くてそこそこ性能がいいという事実。
つまり、アジアンタイヤといっても、必ずしも一律に性能が悪いとも言い難い状況が事態を複雑にしている。

ただし、粗悪タイヤは制動距離が長く、雨天時のグリップ性能に劣り寿命が短いというとんでもないものが混ざっていることが問題。特に、国内のカー用品店で格安タイヤとして販売されていることは憂慮する事態だろう。

走る、曲がる、止まる。
このクルマの基本性能にもっとも関与するタイヤについては、本来妥協すべきものではない。しかし、ブランドタイヤと格安タイヤにどれだけの違いがあるのか、実証を以って説明が成されないから、消費者は安い方を選ぶ。

このあたりは、クルマのメディアが本来やるべきことであり、得意とするべきことなのだが、タイヤメーカーは大スポンサーであるため、そうした客観的評価が行えない状況がある。この辺もクルマメディアが衰退した大きな原因となる。
じゃあ消費者団体やJAFなどが、衝突安全試験と同じように客観的な試験を行えばいいじゃないか、というところに行きつく。米ConsumerReportのようにね。
ただし、リプレイス用のタイヤは、新車に装着されているタイヤよりオーバークオリティで作っているとブリヂストンの中の人が言っていた。
だから新車装着タイヤとリプレイスタイヤは別での評価が必要だ。
建前は同じものってことになってるのであるがw

先日のブリヂストンのセーフティスクールで体感したが、新品タイヤ(溝8mm)と磨耗タイヤ(溝3.2mm)では、一定速からの停止でクルマ1台分ぐらいの停止距離の差がでている。磨耗タイヤなら確実に人を撥ねている状況だ。
つまり、ブランドタイヤでも磨耗すればそれだけグリップは減少する。粗悪タイヤであれば、新品であってもどんな状況かは想像に難くないだろう。

タイヤを選ぶことは、人の命に直結する選択をしている

のだということを忘れてはならないのだが、現実問題としてAUTOWAYとかで格安タイヤであれば4本15000円とかで買えちゃったりするんだよね。ブランドタイヤだと30000円ぐらいするところが。
この価格の魔力に打ち勝つためには、やはりタイヤに対する正しい知識と、安全を買うという意識を持つことが大切ではないかと思うわけだ。

もちろん、タイヤメーカーも販売店とつるんで高価格維持戦略ばかりとってると、まともなユーザーすらも離れていくということをお忘れなく。
高い値段に見合った性能を持ち合わせているのであれば、堂々とそれをアピールすればいいし、性能差をアピールできないのであればお買い得感を増すために値段を下げるべきだ。
消耗戦が嫌だからエコタイヤやランフラットタイヤに注力するという戦略も、それはそれで正しい。
しかし、それら付加価値のついたタイヤであっても、正当な理由無しに支持は得られない。
その辺を忘れないようにね。

ちなみに、上記で挙げた米ConsumerReportのイチオシタイヤはハンコック(韓国製)である事実は、知っておいて損はないだろう。
 
 

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