カーテレマティクス時代を迎えるにあたって、通信インフラをどうするかという問題点は常につきまとう。
有線でLANケーブルを張り巡らすわけにもいかないし、双方向通信を行おうとするならばFM波などの放送電波では一方通行になってしまう。
無線LANで全国をカバーするわけにもいかなくなるわけで、選択肢は移動体通信網に依存するのが必然的となる。
現在インターナビプレミアムクラブ(ホンダ)、G-BOOK(トヨタ)、カーウィングス(日産)の3サービスが、国内主要テレマティクスサービスだったりする。
カーテレマティクスとは、実質的にメーカー純正ナビの豪華仕様版という位置づけとなり、プローブデータ(実際の渋滞状況を各車両から吸い上げそれをDB上でリアルタイムに渋滞情報として集計し、他の車両にフィードバックする仕組み)を利用した、より正確な渋滞情報の提供に始まり、音楽・映像再生やドライブコンシェルジュとも言うべきさまざまな付加サービスへとつなげていくためのインフラとして、車両販売以外の収入を見込むメーカーが積極的に力を入れている分野だ。
それだけ普及をさせたいと思ってはいるものの、データをやりとりするためには通信が必要となるが、通信に掛かる料金はクルマメーカーが自社で通信インフラを持っていないためどうしても高くついてしまう。
(余談だが、どのサービスも利用料金を大々的にアピールしていない。要は知られると困る=高いと思っているわけだ)
直近の調査(PDF)でも、テレマティクスの利用率が14%と一向に増えていないのも、利用するための敷居が高いことが見て取れる。
◆テレマティクスの普及にはサービス内容やメリットの訴求が求められる◆
今回の調査において、純正ナビ保有者におけるテレマティクスの認知率は56%と3年前の52%からほぼ同水準で推移していた。また、テレマティクスの利用率も今回の調査では14%、3年前は16%と伸び悩んでいることが明らかとなった。過去3年間の推移でみると、テレマティクスの認知・利用とも大きくは進展していないようだ。
そうした中、テレマティクスを利用しない理由をみると、サービスの内容や通信機器、料金についてわからなかったからという理由が昨年より9ポイント増加していた。“テレマティクス”というサービス名は自動車ユーザーの半数以上で認知はされているものの、その内容や利用方法についてはよくわからないという実態が垣間見える。また、このことは、顧客にサービスを今後よりよく理解してもらうことで、潜在的な利用者の拡大が見込めることも示唆している。今後は、サービス内容などの周知とともに、情報のリアルタイム性や、車両盗難・故障など緊急時の予防安全性といった、テレマティクスのニーズの高いサービスベネフィットを訴求していくことが肝要であろう。
トヨタが推進するG-BOOKの有料契約者が増えないのも、この通信料金がボトルネックになっているからに他ならない。
本来は、通信費とコンテンツ費を分けて考えなければいけないのだが、現時点でそれができていないことも、普及の障害になっていると言わざるを得ない。
通信は本来タダもしくは限りなく負担を意識しないで済む料金設定でなければならず、お金を払うのはあくまでコンテンツを利用するためというのを打ち出さなければならないのに、だ。
毎度の事ながら話が長い。
何が言いたいのかというと、次回につづくということだ。
この記事へのコメント
おづら
カロナビの通信モジュールにも使われてるしww
海鮮丼太郎
ね?そう思うでしょ?
次回エントリーを待っててね。