はいはい、そろそろ毎月の書き方が定型化してきましたが、9月も終了したと言うことで輸入車販売の実績が発表になりますた。
今月のトピックとしては、9月のディーラー半期決算をどうやって乗り切るか、なんてところにあるわけですが、台数ベースで見ると前年比で-2950台(86.7%)ということで、残念ながら先月のように前年比トントンの状態から少し後退してしまいました。
こうした数字を見ると、ディーラーも無理な自社登録などで在庫を抱え込むようなアクションはあまり取ってないように見受けられますな。(国産車ではよくある光景。それが登録済み新古車として中古市場に流れる)
インポーターからの台数割り当て(ノルマ)が緩和されているのかもしれません。
新古車狙いの人にとっては残念な話かもしれませんがw
ってことで概況です。
9月の全体の数字は19220台(前年比86.7%)と、先月ほどの劇的さはないものの、年初に比べれば随分改善してきました。
1月からの累計を見ても、118178台で前年比78.0%まで持ち直してきております。
この分で推移すれば、年末までにはおいらの予測値である前年比80%程度(16万台)までは回復すると思われます。
それでもまぁ、全盛期は25万台あったことを考えると寂しいもんですが。
ほいじゃ、ブランドごとに見ていきましょうか。
メーカー | 9月実績 | 前年比 |
VolksWagen | 4357 | 104.1% |
Mercedes-Benz | 4099 | 78.7% |
BMW | 3745 | 74.4% |
Audi | 2117 | 108.6% |
MINI | 1406 | 121.9% |
今月もトップ5は安泰というか、いつもの光景ですな。
残念ながら前年比プラスになったのはVWとAudiのVWグループ、そしてBMW MINIの3社。(Audiがまた浮かれてます)
VWに関しては、新型ポロの発表がモーターショー直前の10月20日ということもあり、現行ポロは末期もいいところなのに、それでも571台売ってるというのは、それほど在庫を持っていたということなんでしょうか?ちょいと謎です。
新型ゴルフも好調のようで、VWグループの独走にますます歯止めが掛からなくなってきた感がありますが、環境規制に対応とかいった努力があってこそのこの実績なので、文句を言う筋合いではないですな。
ただ、あんまし独走されると、他のメーカーがやる気をなくしてしまうので、パワーバランスというのはできれば均等に近いほうが好ましいんですけどね。ってことで他のメーカーもがんばれ。
BMW MINIは何かトピックでもあったかなぁ?ちょっと最近不振だったところが順調に回復ということでしょうか。
数字を落としたメルセデスとBMWの要因はなんだろう?って考えると、やはり経済情勢による消費マインドの冷え込みという説明以外には考えにくいですな。
なんといっても政治がおもしろ集団にコントロールされることになってしまい、当面景気の回復は期待できないわけなので、法人需要なんかが落ち込んでしまうのは止むを得ないところでしょうな。
最近BMWから3シリーズの100日間モニター(その名の通り100日間試乗)の案内や、40万円購入サポートなんてDMが来たりするので、現場としては相当焦っているように思われるが、景気ばかりは自助努力ではなんともならないからねぇ。
政治を恨むことだね。
つづいて第2グループを見てみましょうか。
メーカー | 9月実績 | 前年比 |
Volvo | 757 | 96.4% |
Fiat | 453 | 92.4% |
Peugeot | 512 | 67.2% |
Porsche | 125 | 74.9% |
Ford | 250 | 66.8% |
AlfaRomeo | 281 | 130.7% |
Renault | 216 | 105.9% |
Citroen | 158 | 107.5% |
Jaguar | 117 | 45.7% |
今月もボルボさんがなんとか健闘を見せて、前年ほぼ一緒の数字を回復しています。XC60も発表になったので、ディーラーの前を通ったら比較的にぎわっていたのが印象的ですた。
対象的に、昨年から神風の吹きまくっていたフィアットさんがついに前年割れとなりました。
さすがにいつかはこうした事態が訪れることになるわけですが、Fiat500に偏った売上げをプントやパンダに振り分けていけるかどうかが今後の飛躍のカギになるでしょうな。
あと、車種のラインナップをもう少し増やせないもんでしょうかね?
ブランドとしてのフィアットに注目が集まっている時期だけに、QUBOなんかでカングーの客層を狙いに行くのも悪くはないと思うんですけどね。
アルファロメオとの棲み分けも含めて、もう少し大衆車寄りのラインナップが厚くなるとおもしろいと思いますですが。
そういえば、ランチャのデルタが今年中に日本導入なんて話がありましたが、その後どうなりましたかね?
そろそろインフォメーションがあってもいい頃ですが。
つづきまして心配されていた8位の座ですが、どうやらプジョーさん死守しそうですね。
ポルシェの前半のクレイジーな売れっぷりは一体なんだったのか?と思わせるほど、8月以降の実績が思わしくありません。
この分だと後半盛り返してもプジョーを抜くことは難しいであろう事を考えると、これで勝負あったな、という気がします。
っていうか、これが本来の姿だろうという気がしないでもないですが、大衆車より売れる高級車メーカーというギャグが使えなくなったのはちょっと残念です。
すいません、興味本位なだけです。
で、その8位を守ったプジョーさんですが、こちらも好調とは言い難く、207のマイナーチェンジを控えていたとはいえそれを差し引いても厳しい低調っぷり。
車種別販売台数順位を見ると、7~9月の3ヶ月で207が633台。308はランク外です。
この2車種が頑張らないとプジョーの底上げにならないわけです。
10月以降はマイナーチェンジで値下げした207を中心に販売していくことになりますが、どちらかと言えば来年に向けての準備に取り掛かるフェーズでしょうね。
ディーラーの方はじっと耐えなければならない時期が続きます。
それ以下の見所としては…
アルファロメオ、ルノー、シトロエンが地味に頑張ってますな。
新型カングーの評判もそこそこ良いらしいので、これをうまく新セニック&メガーヌに繋げていってもらいたいもんです。
このあたりのメーカーになると、前年と同規模という実績が、果たして市場を維持していくだけの価値があるか?と考えてしまいそうなもんですが、とりあえず親会社が強いので当面は大丈夫でしょう。
ジャガーを表記に入れたのは、前年対比では大きく落ち込んでいるものの、新型XJとかの登場で大衆車メーカーであるシトロエンやルノーを抜くかもしれない、という理由から。
ポルシェvsプジョー程ではないにしても、ある意味日本市場の変な状況を象徴するような感じです。
あと気になったのは・・・
モーターショーの直前不参加表明で、日本市場に見切りをつけたヒュンダイですが、やはり法人営業が成果を上げなければこんなものでしょう。
不況でもフェラーリやベントレーが売れている、なんてニュースが話題になったりしてますが、予約を受けてから納車まで1年以上というタイムラグがある車種であるが故に、その辺は必ずしも景気の影響とはリンクしているとは言えないかもしれんですな。
でもまぁ、青山通りを見ればそれなりにリッチな人はいっぱいいるのだなぁと痛感しますが。
ってことで、9月は半期決算期だったわけですが、全体に少し持ち直してきたという以外にあまりトピックはありませんですた。
その分順調に回復してきているということなんでしょうが、国産車のハイブリッドブームもひと段落してきて、これからはクルマの本質が今一度問い直されるフェーズに入ります。
アウディなんかがEVを日本に導入なんてことを宣言したりもしてますが、その前にディーゼルの可否を問うというアクションが始まります。
ハイブリッドがすべてではない、という主張は輸入車メーカーにとっては起死回生を図るチャンスでもあるわけで、まずは陣頭に立って戦いを挑むVWグループの動きを追いかけながら、我々ユーザーも今一度クルマに乗る目的みたいなものを考え直してもいいんじゃないでしょうかね。
その成果が東京モーターショーで披露されないのは残念の極みではありますが。。
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