自己矛盾

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9月11日の話だが。
日経新聞に変な広告が載っていた。しかもでかでかと見開き一面で。

出稿者は宝島社。
紹介されているのは3誌の女性誌。
しかし、そのコピーがなんかヘンだ。

『需要を創造します。』


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売れている女性誌は、読者の購買意欲を刺激する。それが女性誌の力。

 Sweet 70万部(前年比163%UP)
 InRed 50万部(前年比161%UP)
 spring 50万部(前年比163%UP)

出版不況といわれる中で、しかも女性誌の苦戦が伝えられる中、景気のいい数字が並んでいる。
この景気のいい発行部数は、そのまんま広告媒体の母数としてそれだけありますよ、ってことをアピールしていることになる。
(ABC調査での実売は発行部数の約半分といったところだが)

で、この広告の意図はなんなのかというと、要するにこれだけ読者がいっぱいいる宝島の女性誌に広告を出してください、ということのアピールだ。
つまり、

“日経新聞を読んでいる企業へ向けて、
自社の雑誌への出稿を売り込む”


というBtoB広告だったりするわけだ。
ただ、新聞の広告面だって広告媒体であるわけで、広告の中で広告の募集をするという、なんだかよくわからない事態になっている。

女性誌はそのビジネスモデル上、企業からの広告出稿が収入の大半を占めており、雑誌の販売収入は実はそれほど重要ではなかったりする。
ただし、販売部数は確実にどれだけの消費者を掴んでいるかという広告媒体としての強さを測る基準となるため、販売部数を稼ぐためにはそれなりに支持される本を作らなければならない。

メジャー女性誌不振のなかで、宝島の雑誌だけがなぜそこまで好調なのかってのは昨年のこんな記事がある。

枠超えた編集会議、部数急増 宝島社の女性誌・桜田圭子広報課長に聞く

それなりにウケるための工夫をしているってことなんだろうけど、

『需要を創造します』

っていうメッセージを目の当たりにする一般消費者はどう思うんだろう?
まぁ、雑誌の役目は需要を喚起する(=流行は作られる)という事実を否定するつもりはないけど、こういうのは当事者同士の間でアピールすることであって、ビジネス寄りとはいえ一般読者が読む日経新聞でドカーンとやる内容かねぇ・・・?
その辺は暗黙のうちにうまくやるのが雑誌と読者の関係だったと思うのだが・・・

好意的に解釈すると、

『宝島の女性誌はいい商品は読者に対してきちんとその魅力を伝えます。』

ということになるのかもしれないが、売れてる雑誌=信頼できる雑誌、なんて思考停止の消費者を相手にするにはこういうアピールも有効なのかもしれんね。
おいらはあんましセンスがいいとは思えないんだけど。

ってことで、新聞に全面広告を出すのって結構高いので、それに見合った効果を狙うために、あえてこうした広告を出したということなんだろうけど、広告媒体としてその存在意義が問われつつある新聞と雑誌の組み合わせというところに、なんだか矛盾めいたものを感じてしまうのはおいらだけだろうか?
 

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