エコパニック

 
景気浮揚策としての側面が強いエコポイント制度というものがある。

エアコンや冷蔵庫といった必需品がたまたま買い替えサイクルに合致した場合はエコポイント制度をありがたく使わせてもらえばいい話だが、地デジ化に伴うテレビの買い替えに関して、いくらエコポイントが付くからといって使えるものを慌てて買い換えなくてもいいだろう、と。

46Vインチ以上の大型液晶テレビを買うと36000円相当のエコポイントがもらえるそうだ。
42V/40Vでは23000円、一般的な32Vでも12000円相当ということで、ジャパネットたかたなどはこの辺をアピールして猛烈な販売攻勢を仕掛けている。
それはそれで結構なことなのだが、本当に今買い換えるべき必要があるんだろうか?

鬱欲番長であるおいらとしては、本来であればこうしたお買い得チャンスを逃したりはしないのだが、ふと冷静に考えてみる。
果たして、今は本当に買い替え時期なんだろうか、と。
いや、民放を観なくなったからという理由が無いわけではないが、単純に損得勘定して今が買い時なのか?と考えると必ずしもそうではないなぁ、と思うわけだ。

液晶テレビの技術革新は相変わらず激しい速度で進んでおり、1年も経てば新たな画質や音質を改善するテクノロジーが搭載される。
旧型機種はそれに伴い猛烈な勢いで価格が下落する。
それこそ今最新の機能を備えたトップレンジの液晶テレビであったとしても、半年も経てば激安で処分されることになる。
それこそ、エコポイント分以上の値引きで。

それと合わせて、今は家庭内でのコンテンツ共有規格であるDTCP-IPへの対応やビデオオンデマンドへの対応など、放送波の受像機からネットワークとの融合を果たしたコンテンツモニターへと革新的な進化を迎えている最中だ。
それらの機能搭載がある程度落ち着き、デファクトスタンダードが構築された頃に買うのが最もコストパフォーマンスの良い買い物ではないかと考えている。

テレビは一度購入してしまえばそう簡単に買い換えるものではない(金額的にも耐久的にも)。
そう考えると、今必要もないのに慌てて中途半端なものを買うよりも、欲しいと思った時に欲しいテレビを買うほうがよほど健全だと思うわけだ。
なので、せっかくのエコポイントだが、賢い消費者たる鬱欲番長としては、特に焦って買うメリットを見出せないのであった。

同じことがクルマにも言える。
購入補助と税金の優遇で最大40万近い優遇が受けられるが、ホントに今それでプリウスが欲しいのか?と。
もちろんプリウスはいいクルマだと思うが、今注文しても納期が来年のGW明けとかいうクレイジーな状況で注文書にハンコを押すなんざ、正気の沙汰とは思えない。これはもう

エコカーブームじゃなくて、エコカーパニックだ。

現実問題として、プリウス待ちの客の中には下取り車が車検切れを迎えてしまったり、待ちきれずにキャンセルが続出しているという。
対策として車検費用を客とディーラーの間で折半するなど現場の判断であれこれと対応されてはいるが、その時点で10万円近くは吹っ飛んだ事になるわけだ。
(折半した分は安く済んだという考え方もできるが)

同じく、なんだか素性のよくわからないレクサスHS250hまで初期受注で10000台を超えてしまったり、この冬に登場予定の姉妹車SAIですら予約が殺到って、お前ら目先の補助金に目を奪われて、わかりもしないものによく400万も出せるな。
しかもSAIですら納車は来年ということなので、場合によっては補助金の対象に漏れる可能性すら出てきたのに。

ってことで、補助金の恩恵をプリウスだけが受けているわけではないし、買い替えサイクルにちょうどハマって、欲しいと思ったクルマを補助金でゲットできた人もいるだろうから全部が全部悪いことだとは言わないが、ブームに流されて冷静な判断をせずに高額な買い物をしてしまうというのは、決して賢い消費者の姿とは言えないと思うんだよなぁ。

昨今のエコブームはエコノミーのエコなんて言われているが、確かにそのとおりだと思う。
少なくともおいらは本当に買い替えが必要になった場合か、本当に欲しいものが出てきた時に買うという判断を下そうと思う。
まぁ単に今金が無いだけって話もあるけどなwww
 
 

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