
そりゃまぁ、GBAだって立派な32bitコンピュータではあるのだから、こうした用途に利用できないわけではない。
ってことでアイディア商品というジャンルになるんだろうが、こんな商品が登場した。
ゲームボーイアドバンス で操作・表示する『燃費博士』
外付けの燃費計というのはすでに何種類か販売されているが、画面が小さく、また値段が高くなりがちなのが欠点だったりする。
それをGBAを利用することでカラフルな画面と今だったら安く入手することのできるGBAを使うことでうまくすれば20000円程度で収めることが出来る。(中古であればGBA SPは5000円ほどで手に入る)
これはおもしろい発想だ。
仕組みそのものは他社の外付け燃費計と同じく、クルマの故障診断コネクタに装置を取り付けて詳細なデータをリアルタイムで表示するというものだ。
何回か走行と給油を繰り返して数値の補正を行うことで、詳細な燃費のデータを取得できるようになる。
表示できるのは以下の項目。
瞬間燃費
1分間燃費
今回燃費
平均燃費
燃料消費1秒
燃料消費1分
車速
エンジン回転数
冷却水温度
吸入空気温度
吸入管気圧
吸入空気量
点火タイミング
エンジン負荷
スロットル開度
短期間燃料噴射比率
長期間燃料噴射比率
総使用燃料
総排出二酸化炭素量
運転スコア
※表示できる項目は車種により異なります。
先日、VWのエコドライブトレーニングで燃費計測に使ったコンピュータと同等のデータを取れそうだ。
シフトチェンジの回数とかまで出るとより便利なんだが・・・
で、燃費博士を導入するメリットは、これらの詳細なデータを複数の計測画面にビジュアル的に切り替えて表示させることができる点にあると言える。
他社の外付け燃費計ではどうしてもディスプレイが小さくて表示できる情報が限定的になってしまうが、GBAは240x160ドットのカラー液晶なので、ビジュアル化して見せやすい。




燃費計が搭載されていない車種であればこれで十分代用が効くし、すでに燃費計がある場合は燃料噴射量など異なるステータスを表示させることでより運転中の状況が把握しやすくなる。
プリウスのヒットによって燃費アタックがゲームの要素を持ち始めている昨今の状況にあって、これだけの情報が取得できれば燃費マニアにとっては心強い。
燃費博士は販売に関しても工夫をしている。
こうした製品にありがちな導入に関する敷居高さを克服するために、無料返品の制度を用意しているところにも好感が持てる。
メーカー側が製品が動作するかどうかを見極めるためには、それこそ山のようにある各メーカーの車で実際に動作検証を行わなければならない。
しかし、自前でクルマを用意するには物理的に限界があるため、返品無料とすることでユーザーにまず試してもらい、動作確認してもらうようにしたわけだ。
メーカーは動けば対応機種に追加できるし、ユーザーは動かなかったら無料返品が保障されているので、相互にメリットがある。
こうしたおかげか、この手の製品にしては珍しく輸入車にも対応している。
おいらの乗ってるスマートさんなんかもリストに名前があるし。
プジョーの確認はまだ取れていないようだが、同じPSAのシトロエンC2が対応していることから多少は希望が持てる。
おいらも試してみようかな。
唯一問題点があるとしたら、設置場所をどこに確保するか、という点だ。
動作はGBA(初代)/GBA SP(折りたたみタイプ)どちらも可能ではあるが、推奨しているのはGBA SP(折りたたみタイプ)であり、縦長の本体をダッシュボード付近に設置するのは意外と自由度がない。かといってGBA(初代)は横長で設置は楽そうではあるものの画面が暗くて使いにくそうだ。
GBAはあくまでゲーム機であるため、十字キー+ボタンというディスプレイ以外に余分なスペースがある。
燃費計として使用するのに十字キーなんかを使うことはほとんど無いため、無駄なスペースと言うことができる。
恐らくGBAは市販のPDA用スタンドを流用して固定することになるだろうが、こうした製品を取り付けるユーザーはすでにカーナビなどを設置しているだろうから、意外とダッシュボードに空きスペースがなかったりするだろうから、導入に関してはこの点が一番ボトルネックになるのではないかと思われる。
そんなわけで、製品マニュアル(PDF)には取り付けから運用の方法、また燃費走行のテクニックなんてことが書いてあるので、一度目を通して興味があったら導入を検討してみるといい。
個人的には、設置場所の問題がクリアできるのであればかなりオススメだ。
個人的にこの製品に望むことはあとひとつ。
計測したデータをログとして外部記憶に保存できるようにしてもらい、PC上で各種分析&シミュレーションができるようにして欲しい。
取得した燃費データに、たとえばGPSで取得した走行ルートとマッチングさせて燃費の分析をするといったことができるようになれば、これはまた革命的なことだと思うわけだ。
燃費計測マニアがやりたいことも、大抵の部分はここにある。
プレイやんみたいにSDカードを介してデータやりとりができる仕組みがあるんだから、それを活かすことでデータの外部出力というのはそれほど難しくないと思うのだが。
ってことで、まさか携帯ゲーム機にこんな使い方があったのかという目から鱗状態であり、かつ商品の目の付け所がいいだけに、これからの発展に期待していきたい。
でもこの製品、任天堂の正規ライセンス商品ではないんだよな。
まぁ、正規に認定を受けるのは難しいとは思うけど、任天堂もGBAの可能性という面を評価してあげてもいいような気がする。
クラックするような目的があるわけじゃないんだしね。
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