
VWエコドライブトレーニングを考える(1)
VWエコドライブトレーニングを考える(2)
話の長いヤツは嫌われる。
そんなことはわかってる。
わかってるが、語ることが多くなるとしょうがないこともあるもんだ。
ってことで長々とお届けしてきたVWエコドライブトレーニング。今回が最終回、のはず。
■エコドライブを実践してみて
1回目の走行を終えて、エコドライブに有効な6項目を意識しつつ、2回目の走行を行った。
渋滞でコースを変更したことや、必ずしも同じ場所を走ったわけではないので厳密な比較はできないのだが、『Modern Drive Eco』で記録されたデータで比較してみると、確かに早めのシフトアップにより回転数を上げない運転と、燃料カットオフやニュートラル走行によって全体の効率が13%ほど向上したというデータを得ることができた。
BMWのドライビングスクールでも早めのシフトアップで早めの巡航が燃費を向上させる秘訣であると教えているが、VWも同じということなわけだ。
特に会得すべきテクニックとしては、燃料カットオフとニュートラル走行を場面に応じてどう使い分けるか、というポイントになる。
前回説明したように、アクセルオフによる燃料カットオフによって、燃料噴射量はゼロにすることができる。
緩やかな下り坂を巡航するような場合や坂道のエンジンブレーキを掛けるようなシチュエーションでは燃料カットオフが有効だと言える。
ただし、燃料カットオフの状態はエンジンブレーキが働いている状態でもあるため、惰性で走るには距離を稼げないというデメリットもある。
そんな場合に活用するのがニュートラル走行だ。
ニュートラルにすることでギアの制御から離れ、クルマは速度に応じた力作用で空走する。
エンジンブレーキが働いた状態よりニュートラル走行の方が抵抗が少ないわけだからより長い距離を空走することができるわけで、赤信号での停止などでは早めにニュートラル走行を活用した方が良い。
ただし、ニュートラル走行は厳密に言えばアイドリングのための燃料噴射を行っている。
VWの場合は燃料カットオフの境がだいたい1000~1300回転程度ということになるので、理想的なのはそれ以下になったらニュートラルに、それ以上の場合は燃料カットオフを場面によって使い分けるようにするのが良いだろう。
細かいことのように思えるが、この2つのテクニックを活かすためには、必然的に『交通の流れを読んだ運転をする』ことになるわけで、他のエコ要素の実践を同時に行うことにも繋がって来る。
意味を理解してしまえば、むしろそれが必然と感じられるようになるはずだ。
■その他のエコドライブに必要な要素
今までは運転中に必要なテクニックについて記述してきた。
それとは別に、普段の心がけといった部分でもエコドライブになるとVWは主張している。
(1)短距離走行はなるべく避ける
(2)不必要な荷物は載せておかない
(3)タイヤの空気圧を高めに設定する
(4)ルートは事前に確認、カーナビなどで渋滞を予測
(5)暖機は不要。エンジン掛けたらすぐにスタート
(6)オイルやタイヤ交換時にもエコを意識
これらの要素は、VWに限らずすべてのクルマに対して有効だ。
ちょいと解説を加えてみる。
(1)短距離走行はなるべく避ける
歩ける距離はクルマを使わないとか、ライフスタイルから見直すこともエコドライブである、と。
(2)不必要な荷物は載せておかない
ラッゲージルームに不要な荷物を置いておくとそれだけで結構な重量増。
ガソリンだって満タンに入れたら45kg(60Lタンクの場合)も余計に重くなるわけで、必ずしも常に満タンにする必要もないわけだ。
(3)タイヤの空気圧を高めに設定する
これは各方面で議論の的になっているが、VWは適正空気圧より10~15%ほど上乗せすることを推奨している。
空気圧が低いとタイヤの接地面積が大きくなり、それが抵抗になる。
抵抗が増えるということは、燃費が悪くなるということだ。
逆の理論で空気圧を適正より少し高めにすることで、抵抗が減り、結果として燃費に有効だったりする。
ただし凍結した路面などを走る場合はタイヤのグリップを確保するために、あえて空気圧を下げるという必要が生じることもある。
日常においてはあまり意識することはないが、場面場面に応じた空気圧を心がけるようにするべきだろう。
(4)ルートは事前に確認、カーナビなどで渋滞を予測
ルートを決めずに気ままな旅というのも風情があって楽しいが、目的地が決まっているなら適正なルートは事前に把握しておきたい。
迷ったり余計なルートを走ることになればその分余計な燃料を消費することにもなるわけだし。
それと、VICSやプローブデータを活用したナビ(パイオニアやホンダのインターナビなど)を活用することで、リアルタイムに渋滞情報をある程度把握することができる時代になった。
混み合う道路は時間とガソリンのムダなので、そうした場所を回避するように心がけることも立派なエコドライブだ。
(5)暖機は不要。エンジン掛けたらすぐにスタート
ターボ車などで一部暖機の必要があったりするものの、昨今のクルマはエンジンを掛けたら暖機の必要はほとんどなくスタートすることができる。
余計な心配してアイドリングで無駄なガソリン使うより、さっさと出かけましょうって話。
(6)オイルやタイヤ交換時にもエコを意識
低粘度のオイルを使えば燃費は最大5%の改善。
エコタイヤを選ぶことでさらに燃費向上も可能。
だからといってターボ車に0w-20とかを使うのは考え物だが。
VW純正オイルは5w-30の100化学合成油を使用しており、こういったものを使って長持ちさせるというのもエコな発想と言える。
少なくとも、カー用品店で推奨されるような3000kmとか半年で交換なんて必要はまったく無いから。
今まで説明してきた運転時のテクニックと普段の心がけの要素を行うことで、エコドライブを実践しようというのがVWの主張であることがわかった。
難しいことは特にない。
理解することで実践が伴い、結果としてエコドライブをすることが当然のことと思えるようになるからだ。
■おいらの運転はエコだったのか?
VWの主張はわかった。
ニュートラル走行や2000回転以下でのシフトアップといったTSI+DSG独特のテクニックに関しては除外するとして、その他のエコ要素に関して、おいらが今まで認識、実践してきた運転と相違があったのか?そこを検証してみようと思う。
実は、驚くことに相違はほとんどなかった。
いや、ウソじゃなくて。
誰から教わったわけでもないが、プジョー307swをドライブすると、その燃費の悪さから必然的にエコを意識したドライブをするようになる。
過去にも触れたことがあるが、おいらは307swに関しては国土交通省の定めた10・15モード燃費より優れた、実用燃費10.8km/Lを達成している。
直近のデータでは、トータル47000kmほど走ったが、実用燃費は10.84km/Lとさらに上昇している。
秘訣はシフト操作を手動で行い、2速で引っ張り早めに4速に叩き込むという乗り方だ。
2速を使う場合のみ回転数が上がるが、それ以外は平均回転数はVWが推奨するように2000回転以下で抑えるようにしている。
こんな感じでアイドリングストップを除き、それ以外の要素はかなりの確率で実践していたことになる。
今まで聞きかじりの知識や経験から編み出した方法を試していたわけだが、ある意味お墨付きをもらったことになる。
悪い気分じゃないな。
■総括
そんなわけで、ちょっと不純な動機で参加してみたものの、VWのパフォーマンスを理解することができ、また自分のエコドライブについても裏付けた取れたし、実りの多いプログラムだった。
一回に体験できる人数が限られるため、延べ1000人程度の体験者というところに留まっているのが惜しい。
VWはこうした試みをもっと積極的に広げ、VWというブランドをアピールすればいい。
間違いなくエコドライブトレーニングは、VWを理解し、その魅力をアップするすばらしいエクスペリエンスだと思う。
当然のことながら、こうした試みはもっと広く行われるべきだ。
競合するインポーターに限らず、国産メーカーだってこれだけエコを前面に押し出してビジネスをしているのだから、当然それを実践するための機会を設けるべきでしょう。
このプログラムに参加して、おいらの中での価値基準が明確に切り替わったのを感じた。
TSI+DSGというテクノロジーは明らかにクルマの歴史におけるパラダイムシフトだ。
新しモノ好きの鬱欲番長としても、このテクノロジーにお金を出す価値がある、と考える。
しかし、そんなおいらの心を引きとめているのは、欲しいと思うボディタイプが今のVWに存在しないことと、プジョーにだってまだチャンスはある、という微かな期待だ。
さぁプジョーさん。
あなた達はいったい何を体験させてくれますか?
次のクルマ選びに関して、もう一度リセットして考え直してみようかと思う。
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