かつてGMとの提携を結んでいたスズキに、思わぬところからオファーが。
VW、スズキに出資検討…独誌報道
独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が、スズキに10%程度を出資することを検討していると、独経済誌マネジャー・マガツィーン(電子版)が25日報じた。
報道によると、交渉は始まっていないが、VWの幹部が数週間前に訪日し、スズキとの提携の可能性を探ったという。特に、VWはスズキが成長市場であるインドに強みを持っていることから、提携に興味を持っているとしている。
昨日のイギリスの話を見るまでもなく、よりコンパクトなクルマのノウハウはグローバル展開を進める上で重要なファクターであったりするわけで、ポロで3L/100kmを達成したとはいえ、VWはまだまだ安価で燃費のいいクルマの開発力を持っているとは言い難い。
また、中国市場へのいち早い参入には成功しているが、BRICs諸国のなかでも潜在力の高いインドでの展開を考えると、スズキの力を借りたいという発想は理に適っている。フィアットがクライスラーの買収で北米市場への足がかりとしたいように。
で、スズキ側に何のメリットがあるかというと、VWのディーゼル技術という目玉があるが、独自開発したディーゼルエンジンを持つスズキとしては、喉から手が出るほど欲しいというものでもないだろう。
ただ、スズキはグローバルで各社との提携を進めており、先日も欧州向けアルトを日産ピクソとして販売開始したばかり。
スズキの事業においてOEM供給で販売台数を稼ぎ、開発投資を回収するというビジネスモデルは重要であり、特定資本との結びつきが強まるとこうした展開にも支障を来たしかねないため、判断は慎重にならざるを得ない。
脅威の目利き力と臭覚でグローバル化の波を乗り切ってきた鈴木修会長を以ってしても、スズキだけの力では今後生き残っていくことは難しいと語るように、資本提携という道は規定路線なのかもしれないが、グース(2輪)に乗るスズ菌保有者でもあるおいらとしては、腐っても1000ccで180PSを出す市販エンジンを持つ技術力に見合った、より積極的かつ対等以上な関係での提携で存在感を発揮してもらいたいと思う今日この頃。
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