
90年代最も文章を書いたラッパーこと、ライムスターの宇多丸がTBSラジオの番組『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』(以下タマフル)でギャラクシー賞のDJ・ラジオパーソナリティ部門を受賞。
授賞式でなんかやると宣言してたが、ある意味わかりやすいネタで勝負したようで。
二宮和也がダブル受賞に笑顔、偽・宇多丸も登場!「ギャラクシー賞」贈賞式
これに関連して東京新聞のインタビューも。
ギャラクシー賞受賞のラジオパーソナリティー 宇多丸 志の熱さリスナーへ
タマフルは、AMにおけるトーキングDJとしては経験の浅い宇多丸が聴取率劣勢の状態から、どうやって独自色を出していくかを常にリスナーを巻き込んで検討し、周りから支えるスタッフ陣と共に育ててきた番組だ。
(当たり外れはあるものの)じっくり1つのテーマを掘り下げた特集を組んだり、ガチンコ映画評論コーナーで業界内外に敵を作りつつも独自の評論を展開したりすることで、2時間という長丁場を飽きさせずに進行してきた。
その内容は、著作権に触れる楽曲やライブmixコーナーを除いて、大半がポッドキャストで配信されていることも、リスナー獲得に向けた番組の真摯な姿勢と言えるだろう。
間違いなく宇多丸は努力をしているし、それをスタッフが懸命に支えているし、その結果として番組は面白い。
しかし、ラジオDJとしての技術はまだまだであり、一番当てはまる言葉としては“荒削り”だ。
その荒削りな宇多丸が、ラジオのDJ部門で最高の賞を受賞するというのは、逆に言うとそれ以外に候補はいなかったのか?という気にさせられる。
深夜ラジオが熱かった頃は、宇多丸たちのような番組への取り組み姿勢は当たり前のように行われていたわけであって、どうやっておもしろい番組にするかという努力は本来ラジオ番組制作にとって必須事項であるはずだった。
しかし、ラジオリスナーの減少と制作費削減の影響から、こうした当然の努力が過剰と見なされ、番組打ち切りという悪い流れができてしまっている。
バツラジの打ち切りなどがその典型的な例だが、ギャラクシー賞を宇多丸に受賞させたのはそうした風潮に対する選考委員のけん制の意味合いがあるのかもしれない、と感じた。
ラジオに未来があるかと言われれば、明るい未来があるわけではない。
だからといって、規模を縮小していけばいいというわけでもない。
宇多丸の荒削りでも面白い番組を作ろうという突っ走りは、そうしたラジオの現状に対する抵抗でもあるんだろう。
次はDJ個人としてではなく、番組としてギャラクシー賞を受賞して、ラジオ番組のあり方というのを内外に提示してもらいたい。
そのために、宇多丸自身にはラジオDJとしてのスキルをもっともっとアップしていってもらいたい。
ってことで、今回の騒動がほぼすべて配信で聴けるので、裏事情も含めて一度聴いてみることをオススメするですよ。
かなり痛々しい事になっているが、ある意味今回の放送が一番タマフルらしさが出ていると感じたので猛プッシュ。
「ギャラクシー賞授賞式レポ」【前編】
http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20090606_satlab_1.mp3
「ギャラクシー賞授賞式レポ」【中編】
http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20090606_satlab_2.mp3
「ギャラクシー賞授賞式レポ」【後編】
http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20090606_satlab_3.mp3
配信限定!放課後DA★話(6/6)【前編】
http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20090606_podcast_1.mp3
配信限定!放課後DA★話(6/6)【後編】
http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20090606_podcast_2.mp3
面倒な人はここをクリックすると、iTunesのポッドキャスト画面になるので、登録してやってくださいな。
Podcastのユーザ数も大切な聴取率データのひとつなので、これが増えると番組的にもプラスなのです。
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