トヨタがGMにハイブリッド技術供与?

 
元々トヨタのハイブリット技術の供与は噂されてはいたものの、こうしてハッキリとニュースになったということは、それなりに現実味を帯びてきたということでしょうかね。

トヨタ、GMにハイブリッド技術供与を検討

アメリカ標準=世界標準

とも言いきれないわけですが、主要市場を押さえるということは、スケールメリットを活かしてデファクトスタンダードを確立する条件としては悪くないわけです。
技術を持っているということは、こういうところでメリットが生まれてくるわけですな。
21世紀に間に合わせて、ホント良かったと思いますです。
こういうところは素直にがんがれトヨタ!とか思っちゃったりするところは国粋主義者なんでしょうか?私は。

で、最近よく自動車の白物家電化と揶揄されたりするもんですが、これからは既存の車が白物家電化していくのは間違いないところでしょう。
それなりに技術革新が無いわけではないですが、技術的な伸びしろというものに限界があり、10%の燃費アップがどれほど優れた技術であったとしても、それが注目される事は少なくなってしまい、必要なときに必要な人がなんとなく買う、という存在。
すでにその兆候が出ているわけですが、これはもう止むを得ない、と。

逆にハイブリッドやEVが技術的伸びしろがある分、新製品(って言い方かよw)が出るたびに驚きとスペック競争が起こるわけですな。
話題が多いほうが売れるというのは世の道理。

なんつっても、14.0km/L ⇒ 16.0km/L のインパクトより、38.0km/L というインパクトが大きく見えるのは、こりゃもうしょうがないでしょ。

そんなわけで、生暖かい目でうぉちするには、非常に面白い時代を迎えようとしているわけです。
だからといって、クルマ選びが楽しくなるかというと一概にそうとも言えないわけですが。

話をGMに戻すと、トヨタと組んでTHSを推し進めていくとなると、欧州の解釈と真っ向からぶつかることになるわけですな。
トヨタさんとしては欧州各国に対しては技術的には対決姿勢で臨むという判断を下した、と。
戦略としては間違ってないと思いますです。
ハイブリッドに関してはこれで一定のパワーバランスが成立すると思われるわけですが、問題はその次ですやね。
ハイブリッド以上にスケールメリットがモロに活きてくるプラグインハイブリッドやEVに対して、どのような戦略で臨むかっていうのが見えてこないわけです。
他のメーカーがハイブリッドでの勝負をあきらめて、その次への投資を始めようとしている状況において、ハイブリッドに固執すると次
ソニーがトリニトロンに固執して、液晶で散々な目に遭ったようなことは、まさか起こらないとは思いますが、どうなんでしょう?
などとボカして言ってみるテスト。

それにしても、これからの時代はサプライヤーの力が強まることが想定されるわけですが、良きサプライヤーとの関係を維持するためにも、サプライヤーがしっかり利益を出せる構造にすることが大トヨタ様にとっては一番重要なんじゃないかと思うわけです。

話が流れたら笑っちゃいますが、たぶんチャプター11で整理された後に技術提携で美味しいところを持っていくんでしょうね。
まぁそれはそれで楽しみではあります。


■記事本文
 トヨタ自動車が、経営危機に陥っている米ゼネラル・モーターズ(GM)に、エンジンとモーターを併用して走るハイブリッド車の中核技術を供与する検討に入ったことが24日、分かった。

 GMは近く米連邦破産法11章の適用申請に踏み切るとの観測が強まっているが、トヨタはGM側から要請があれば、破産法適用後でも供与に応じる方針だ。
 トヨタが供与を検討しているのは、エンジンとモーターの動きを制御して燃費を向上させる特許技術で、「プリウス」などに搭載している。GMが独自開発したハイブリッド技術よりも燃費性能は格段に優れる。
 GMが経営危機に陥った原因の一つは、環境技術で後手に回り、昨年前半までの原油高でガソリン価格が高騰し、燃費が悪い大型車を中心に販売が急減したためだ。このため、トヨタは自社のハイブリッド技術をGMに供与して経営再建を側面支援する。この結果、トヨタのハイブリッド技術が、事実上の世界標準になるメリットもある。
 また、米自動車メーカーが相次いで経営危機に陥ったことで、日米自動車摩擦が再燃する芽を摘む狙いもある。
 トヨタとGMは資本提携はしていないが、米国で小型車を合弁で生産するなど協力関係にある。

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