環境対応車“乗り換え”に20万円助成、経団連会長が提言
クルマに関する助成は、すでに4月から環境対応車に対する減税という具体的な形で対策が取られており、それに加えて高速道路料金引き下げが実施されるわけで、クルマ好きの観点から見てもこれ以上の助成の必要はないと考える。
昨今の国内市場における新車販売の低迷は、景気の低迷も一因ではあるがそれよりも大きな理由として、国民がクルマを所有することの意味に疑問を持つようになった、というのが大きい。
高い高速道路料金に高騰するガソリン価格、週に1度乗るかどうかといったものに百万円以上出すのは正直言ってコストパフォーマンスが悪い。そのことに気が付いたからこそ、所有にこだわらずシェアリングやレンタカーなどの選択肢も含めるようになった。
リビングに置かれた百科事典やピアノと同じように、所有することがステータスだった時代は終わったわけだ。
地デジへ移行が進まないのも同じことが言える。
買い換える理由が乏しいからだ。
つまり、金払ってまでテレビを買い換えて見たい番組がどれだけあるか?
今自動車業界に必要なことを、助成金によって需要の青田買いをするのではなく、クルマを所有することの意義を提案することが一番必要なわけだ。
ドイツで環境対策車への助成がうまくいったのは、高速道路が基本的に無料に近く、元々クルマを長く乗り続ける消費者が多いからこそうまくいったわけであり、根本的に日本とは状況が違う。
奥田が消えて御手洗になったんだから、自動車のこと心配する前に、プリンターを年賀状以外に有効活用する方法でも提案すればいい。
それをせずに今プリンターに助成するといっても、誰も買わないんだから。
それと同じことだ。
今回の高速道路1000円プランに関しては、財源の問題やらばら撒きやらと諸問題があるのは重々理解しているが、それでもおいらがこの政策に賛成するのは、これによって国民がクルマで出かけることに対して意義を見出すことができるからだ。
その原動力となるのはズバリ、“損得勘定”。
実質1000円ちょっとでどこでも行けるんなら、行かない方が損だから。
人間の行動心理にはこの損得勘定が大きなウェイトを占めており、このモチベーションはすごい。
これに伴って“出かけること”への興味が喚起されることになる。
人が動くと、経済は回る。単にドライブ関連だけではない派生の需要が喚起される。
そんな中で、これをいい機会だと考えれば新車に買い換えることだってあるだろう。
自動車の需要というのは、こういうところから自然と生まれてくるものであり、演出して生み出せる時代は終わったのだから。
渋滞による疲労と時間の浪費が嫌だという人は電車や飛行機を使うだろうし、なんもするのが嫌な奴は、それはそれでゲームでも買って家に篭るだろうし。
今の日本に必要なのは、そうしたなにか行動を起こすためのきっかけであり、安く移動できるというのはそのきっかけの中でも非常に大きなモチベーションになる。
『クルマいらない議論』のなかで感じられた、虚無感というかやる気でない病の蔓延で、出かけるという行為自体に意味を見出せなくなっている感じがした。
実体験主義のおいらとしては、日本はまだまだ広くて知らないところがいっぱいあるので、ヒマができたらあちこち行ってみたいと思うのだが・・・
不思議なもんで、日本の20倍も広いアメリカを2ヶ月近く運転して帰ってきたら、余計日本の魅力を再発見するに至った。
そんなわけで、チャンスがあるのだったら積極的に活用するのが賢い消費者というものだ。
日本はまだまだあなたの知らない驚きに満ち溢れている。
一生掛かったって、それらを見尽くせるものではない。
だからこそ、自分なりのDiscover Japan.
明日から始まるチャンスを有効に活用してもらいたい。
くれぐれも、無理なく安全運転でね。
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