トヨタ プリウス 新型…価格205万円から
我々は、発売直前の価格の見直しという点に関して、大変参考になる故事を知っている。
すなわちPSPであり、PS3である、と。
競合製品の価格にショックを受け、トップダウンで価格の引き下げが決定されたはいいものの、現場で多くの混乱を招き、それが品質に著しい低下を招き、ブランドイメージを失墜させた、あのPSP&PS3の故事だ。
これらの故事に関する記録はこちらを参照するとたいへん勉強になる(笑)
原価率から推測すると、販売店とメーカー利益を折半すれば205万円程度という価格を実現することは不可能ではないが、やる意味があまり感じられない。
ただし、トヨタのことだから、当然のことながら下請けに対して更なる製造原価の圧縮を要望(という名の脅迫)をしていることは容易に想像がつく。
今回の件に関しては、マスメディアや消費者の関心はむしろそちらに向くんじゃないかという懸念がある。
つまり、まだトヨタは下請けをいじめるつもりなのか、と。
トヨタの車種の中で、プリウスというのは珍しくすべてにおいて前向きなイメージを構築できている貴重な車種だ。
未来的なイメージ、世界初というイメージ、そしてクルマとしてあらゆる点で妥協を許さないイメージ。
(イメージであって実際にそうとは限らない)
それらのイメージを自らぶち壊してまでインサイトと同じ土俵に立つ必要がどこにあるのか。
しかもトヨタは、2代目プリウスを併売することを発表しているし、そして何よりプリウスの下に位置する廉価版のハイブリッドを現在開発中だし。
それらが出てきたら、マイナーチェンジでまたこっそり値上げするのだろうか?
最近のトヨタのコストダウンって露骨過ぎる。
目に見えないところは平気で耐久年数低い部品を使うようになったり、目に見える部分も金を掛けずに豪華に見せるということが平常化していしまっている。一番影響を受けているのがシートの材質とインパネの質感。
インパネを指で叩いてみると、その質感の無さにがっかりさせられる。
言わば、安全の担保のために見えない部分にまできちんとコストをかけた国産の新幹線が、品質と検証を疎かにした結果枕木に亀裂を生じさせ高速走行に危険性が指摘されている韓国のKTXになっちまったようなもんだ。
もしくは、見えないバックボーンにもコストを掛けて、安定してどこでも繋がるような回線網を構築したドコモが、コストを優先するあまり品質改善を放棄したソフトバンクのようなった、と。
もうひとつ気になるのが、装備の面でいくつか変更が行われたと思うのだが、その辺コンピュータ制御のプログラムの整合性はちゃんと保たれているんだろうか?
プリウスは他の車種と違ってコンピュータの依存度が極めて高い車種であり、プログラムの変更には十分気をつけなければならないが、なにせ方針変更が急だったこともあり、それらの仕様変更がきちんとプログラムに反映されてないんじゃないかという懸念がある。
つまりは、バグを抱えたまま出荷することになりはしないのか、と。
WindowsUpdateじゃないんだから、その辺でポカをやらかすとイメージは一気に悪化するんじゃないかと。
ってことで、プリウスは最先端技術を思う存分注ぎ込んだピエロとして孤高を保っていればいいんだ。
それを良しとする顧客は確実にいるし、インサイトの客層とも明確に差別化ができるんだから。
それができないのならトヨタに懐の深さというか、自ら培ったハイブリッドのブランドを育てていこうという気概が感じられないのは残念な気がしてならない。
一方、過去に指摘したように必要以上に低価格をアピールするのと自らの首を絞めるよ?なんていう素人の指摘に対して、ホンダは次にどんな手を打ってくるんだろうか?
P.S.
ソースが朝日だということに今頃気がついた。
トバし記事の可能性もあるため話半分に見ておいた方がいいだろうね。
っていうか、常識的に考えれば、廉価版プリウスEXが205万円ってところじゃないかと思うんだが、はてさて。真実はどっちだろうね?w
この記事へのコメント
凡侭
海鮮丼太郎
seigyo
制御面は心配ないと思いますよ。
変な風に弄るとかえって金がかかる物の典型ですし、
逆の見方をすれば最初から切り捨てコストダウン、
または後付装備による値上げを行うことを前提に
モジュール化を徹底した設計をしているに決まってます。
ついでに言うならイメージ面も問題ないかと。
下請けいじめや内装の簡素化が気になる人は
プリウスのイメージだの値下げだのにかかわらず
最初からトヨタを嫌っている人が多いでしょうし、
また逆の見方をすれば、そんなのは気にせずに
値下げを気軽に歓迎できる人が世界中に多く、
トヨタ側もそういう人達を概ね満足させる位の
性能・質感のさじ加減が嫌になるほど上手だからこそ
現在の隆盛があるわけですし。
個人的にはまたトヨタにケンカを売ったホンダが
また痛い目を見るんじゃないかと心配です。
フィットでカローラに挑んでディーラーを泣かせ、
渾身の一球ストリームはあっさりパクられて泣き、
初代の反省とプリウスの研究を活かした
この二代目インサイトも凄い包囲網ですからね。
七誌
量産に入る前に仕様変更に対応しようとすると、もうギリギリぐらいのタイミングだから現場は大変なことになってるんじゃないかと。
バグ出してもサービスキャンペーンの名目でこっそりディーラー対応しそうだけどね。
根拠があって言ってるのか甚だ疑問。
某プリウス部品メーカー社員
部品メーカーも更なる品質向上+コスト削減を行ってます。トヨタの品質基準は他社メーカーより実際はるかに厳しいです。
また、何年も前から新型プリウス用の部品開発は行われており、すでに量産体制に入ってます。
いまさら、変更は不可能では・・・・
しいて言えば装備が、標準でなくオプションになるのではないかと思われます。
>根拠があって言ってるのか甚だ疑問。
同感です。
七誌
(・∀・)ニヤニヤ
海鮮丼太郎
(・∀・)ニヤニヤ