特別な存在ではない超低燃費車の兆し

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リッター30km超の低燃費ポロがデビュー

おもしろいことになってきた。
VWでいうところのポロは、トヨタでいうところのヴィッツのような存在(車格はもうちょっと上だが)であるが、それらが燃費に関して威信を賭けて戦っている。

直噴コモンレールディーゼルエンジンという、既存技術の延長戦上のアプローチで30.3km/Lを叩き出した新型ポロはすばらしいと思うが、MTでなおかつディーゼルであるということを割り引いて考えないとならない。
それに対して、ホンダはガソリンエンジンによるハイブリッドで量販価格で30.0km/Lを叩き出しており真っ向対決の様相。
トヨタはプリウスでさらに上を目指すが、その分量販価格帯よりも高くなってしまうので、その下のクラスに燃費スペシャル仕様のクルマを用意してくる可能性がある。

日本勢:ガソリンハイブリッド+CVTの専用車
欧州勢:ディーゼルエンジン+MTの既存ラインナップの特別仕様

こんな感じで異なるアプローチで超低燃費車の開発を進めているが、専用車種を用意する日本勢と、既存車種の発展形でコストを抑えつつ現実的な妥協点を見つける欧州各社がとても対照的だ。

イメージ的には専用車種の方が一目で超低燃費車であることがわかるため、ステータスシンボルとしてアピールできる分日本勢に分があると思う。
それに対して既存車種で対応するVWのアプローチは、専用車種を別途開発するよりコストを安く抑えられるメリットがあるため、超低燃費車が今後量産&低価格化が進んで一般化した際に、スケールメリットを活かしやすくなる。

要は、いつまで超低燃費車が特別な存在なのか、ということだ。

すでにインサイトは一般車と変わらない価格でハイブリッドを買えるようにした。
そこに価格プレミアムは存在せず、ハイブリッド専用車種としてのアドバンテージがあるだけだ。

それが、より一般化して誰でも買えるようになれば、量販効果の高いほうにアドバンテージが移ることになる。
その辺の分岐点がいつ、どのぐらいになるのかはおいらにはわからないが、そう遠くない未来、2012年ぐらいには超低燃費車は当たり前のクルマとして受け入れられるようになっていると想像する。

ただねぇ、VWってガソリンエンジンには見切りつけたみたいね。
ディーゼルは低燃費でも、1.2LのTSIガソリンエンジン+DSGでは18.2km/L程度しか出ないみたいだから。
(日本にブルーモーションが導入できなければ、特に話題のないモデルチェンジになってしまうわなw)

その意味で、日本勢はスゴい技術力だと言うこともできる。
この勝負、どう展開されていくのか注目したい。
 
 

この記事へのコメント

  • 凡侭

    欧州モード燃費だと巡航速度が高めなので、ディーゼルが有利になるみたいですね。
    2009年03月04日 19:11
  • なおなお

    TSI+DSGはうちの地域の乗り方ではカタログ値より良い数字が出るようです。
    FSIのうちのトゥーランもカタログ値より燃費いいし。
    でも、これは乗り方なのかな。
    で、新しいポロのブルーモーションですが、
    結局は日本には入って来ないような気がします。
    ディーゼルのイメージを変えるのはそう簡単なことではないからね。




    2009年03月04日 21:53

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