旅の情景:砂に描いたラブレター

砂に描いたラブレター
▲Photo by ViviCam5050

目を覚ました、俺の中の童貞が止まらない。

「ねぇ、あたしのこと好き?」
「あぁ、好きだよ」
「どのくらい?」
「こーーーーのくらい」

砂に描いたラブレター。
ハートのマークはひときわ大きく。
風が吹き、たとえハートマークが消えようとも、
僕の気持ちは変わらない。

34歳毒男。彼もまた、特別な存在なのです。
▲Photo by ViviCam5050

…そして、時が過ぎ見知らぬ連中がやってきて、ふと目を止める。
幸せの痕跡に。

おもむろに木の棒を握り、力の限りハートマークにヒビを入れる。

「嗚呼、世の中すべての浮かれ者どもに天の裁きを。」


34歳毒男。
心の童貞をこじらせた、彼もまた特別な存在なのです。
そして誰からともなく

「モテたいねぇ」
「モテたいっすねぇ…」


そして男3人旅は続くのだった。

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