せつないボルボさん

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ボルボC30 グラフィックカー(FF/5AT)【短評】
試乗会の帰り際、ボルボ・カーズ・ジャパン広報部の人と目を合わせることができず、逃げるように試乗会会場を立ち去った。それはなぜかと言いますと……。

クルマのレビュー記事で笑ったのは久しぶりじゃないだろうか?
レビューという性格上、メーカーが用意したクルマを試乗し、評価することになるわけで、どうしても褒める、持ち上げるような文章になりがちだ。
評論の文化が成熟してくると、たとえメーカーの招待だったとしても、ダメなものはダメと言えるようになるもんだが、映画批評などとは異なり日本のクルマ評論に関してはまだそうしたことを言えるほど成熟しているとは言い難い。

しかし、思ったことを素直に言いたくなる事もあるだろう。
「反響次第では日本への導入も考える」と言う広報の人と目を合わせないように、試乗会会場を後にした。自分、気が小さいものであの時は面と向かって言えませんでしたが、ここに書きます。

多分、日本ではウケないと思います。

おそらく、誰もが心の中で大きく頷いていたんじゃないだろうか。
そう、会場にいたボルボの中の人だって。

無難なレビューで下手に持ち上げることで“これはイケる!”とメーカーが勘違いしてしまい、こんなド派手なボルボがディーラーの軒先に並ぶなんてことは、悲劇を通り越してギャグだ。
そんな不幸な事態にならないように、このレビュアーの最後の良心が勇気のダメ出しをさせたのではないかと思う。

これでいいのだ。
これで良かったのだ。
みんながこの一言で救われたんだ。
誰が悪いわけじゃない。
文化。そう、文化が違うからなんだよ。
日本のボルボのイメージは、スウェーデンのそれとはまったく違う。
ポップという概念とまったくの対極に位置する孤高の存在なんだ、と…
 
 

この記事へのコメント

  • おづら

    ニッポンには世界に誇れる(?)痛車がこの夏も有明の駐車場を占拠してましたが、何か?
    2008年08月22日 07:31
  • 海鮮丼太郎

    L.A.を痛車が席捲する日も近い。
    痛車は突き抜けたバカを感じさせるが、これはサラリーマンが無理してオシャレしてる痛々しさだからねぇ。
    2008年08月22日 09:53

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