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2017年01月11日

2016年の輸入車市場を振り返る(1)


JAIAより2016年12月の登録実績が発表され、これで2016年の年間登録台数が確定しました。

そんなわけで年初恒例の2016年の輸入車市場を振り返ってみましょうか。
(ここで言う輸入車は海外メーカーの意味となりますので、トヨタや日産、三菱などの逆輸入車は含まれておりません)

JAIAも自販連もなぜか国内メーカーの海外生産分を輸入車としてカウントしたがりますが、集計するのが面倒なので海外メーカーと国内メーカーで分けてくれませんかね?ホント。

ってことで自販連が発表した2016年輸入車登録台数は343,673台でしたが、純粋に海外メーカーだけで集計すると294,060台でありました。

悲願の30万台まであと6000台。
非常に惜しい数字でありました。

とはいえ2016年は輸入車市場はいろいろとショッキングなことが起こった年でもありました。

2015年9月に発生したVWのディーゼルゲート事件によりそれまで好調だった輸入車市場に冷や水をぶっかける形となり、その余波はまだ続いておりました。

新年早々に米フォードが国内市場から完全撤退を検討しているという速報が入り、まったく事情を聞かされていなかった日本法人が後追いするように事実を認める事態となりました。

結果的に9月末にはすべてのフォードディーラーが閉店し、アフターメンテナンスはPCIが請け負う形になりましたが、年間5,000台程度では日本で輸入車ビジネスを継続するのが難しいということが露呈した事件でもありました。

そしてVWは直接的な不正の対象ではなかったもののディーゼルゲートの影響から未だ回復できず前年割れを続ける中、その他の勢力が大きく数字を伸ばしたことで、市場全体で見れば前年比9,891台増(+3.5%)とという結果になりました。

これはVWが好調だった頃をさらに上回る勢いであり、1997年以来17年ぶりの30万台にあと少しまで迫る勢いでありました。

inportcar_graph2016.gif


それではトップ20ブランドの登録台数を見ていくことにしましょうか。
ってことでこんな感じです。


 2016年輸入車トップ20ブランド実績
メーカー2015年2016販売台数20152016順位
販売台数販売台数前年比順位順位前年比
Mercedes-Benz65,15967,378103.4%11
BMW46,22950,571109.4%32
VW54,76547,23386.2%23
Audi29,41428,50296.9%44
BMW MINI21,08324,548116.4%55
Volvo13,51014,553107.7%66
Jeep7,1299,388131.7%77
Peugeot5,9067,403125.3%108
Porsche6,6906,887102.9%89
Fiat6,0326,717111.4%910
Renault5,0825,303104.3%1111
smart1,0124,508445.5%1912
Land Rover2,9793,165106.2%1313
Jaguar1,3492,883213.7%1814
Ford4,8562,14344.1%1215
Citroen1,9782,009101.6%1516
Abarth1,4721,857126.2%1617
Alfa Romeo2,3211,76776.1%1418
Maserati1,4491,32391.3%1719
DS9251,129122.1%2020

■輸入車市場を支えたVW、ついに3位へ後退
メルセデスが盤石としか言いようのない好調さを維持し続けたのが2016年のトピックではありましたが、どっこいBMWも負けてはいませんでした。

多彩な車種とパワートレイン、お台場の戦略施設などあらゆる攻めの姿勢でVWの販売を追い抜き、ついに2位に返り咲きました。

BMWが売れていた時代を思い返すと、バブル期に“六本木のカローラ”などと呼ばれていた時期からバブル崩壊後の1994年までVWよりBMWの方が売れていた時代がありました。

それ以降は輸入車が大衆層に浸透する流れの中で再びVWが勢いを取り戻し両社の差はかなり開いておりましたが再びそれが逆転したわけです。

メルセデスの好調とあわせて、日本の高額自動車の市場がある種のバブル的状況になりつつあることの証左でもありましょう。

VWに関しては完全に守りの姿勢を取らざるを得ず、一時期乱発していた0%金利キャンペーンも最近はあまり目にしなくなりました。

全世界では販売台数1位となったVWも、日本市場で過度にシェアを高める必要はなくなったのかもしれません。

昨今の消極的なプロモーションからは、そのような姿勢が垣間見えます。

リコール騒動で多額の賠償金を支払う事になり開発予算も選択と集中を迫られ、脱ディーゼルの方針の中でPHEV/EVに深くコミットする覚悟を決めたようですので、そうした成果が花開くまではあまり華々しい話題は期待できないのかもしれません。



■昨年に続き圧倒的な強さのメルセデス
『盤石』という以外に表現のしようがないほど2016年のメルセデスは好調でした。

世界販売においても高級車販売においてBMWを追い抜いて1位になるなど、世界規模でイケイケな感じにも見受けられます。

とはいえ「メルセデスラーメン」に代表される昨今の一般ウケを狙った取り組みは、上野金太郎社長が順調に“ゴキゲン♪ワーゲン”化しており、危うさを秘めていることは言うまでもありません。


例えばメルセデスラーメンについて取り上げたTBSラジオの『現場にアタック』のコーナーでは既存のオーナーからは… 

「ちょっと嫌だ。安っぽくなった気がして、高級な車として購入しているわけだから、そのイメージを壊さないでほしい・・・。」

といった声が聞かれるなどこうした戦略が必ずしもメルセデスオーナーに受け入れられているわけではなかったりします。

多くの支持を集めて多くの人にクルマを買ってもらうためには大衆的な話題作りが必要であるのは事実ですが、メルセデスという高級ブランドのイメージを保ち続けることも大切であるわけです。

盤石なメルセデスに不安要素があるとすると、このイメージ戦略にあると言えるのかもしれません。



■存在感が希薄化するアウディ
Audiの存在感が薄れています。

打てる手を打っているとは思います。
しかし競合するBMWやメルセデスに比べて、その存在感はどうしても希薄に映ります。

ディーゼルゲートの影響がゼロとは言いませんが、ポルシェは前年割れしておりませんのでAudiの伸び悩みは他のところに要因があるようにも感じられます。

昨今のデザインに対する評判もどちらかといえばネガティブなものが多く見られる中、Audiは何を訴求したいのかが見えにくいのも一因かもしれません。

2016年は『Audi Sport』という新ブランドを立ち上げてよりプレミアムな体験を提供する取り組みを始めていますが、これらは数を売るより1台あたりをしっかり売って利益を確保する動きとも言えます。

その意味で数を追い求めるのではなくきっちりと利益を取っていく戦略に転換したと見ることもできるかもしれません。



■ボルボの伸びしろはどれぐらい残っているのか?
先進安全装備をいち早く採用することで輸入車の中でも確固たるポジションを確立したVOLVOでありますが、順調に販売台数を増やしています。

しかし新モデルの投入がある程度落ち着いた状況で今後販売を継続的に伸ばしていくことが出来るのでしょうか?

今年は東京モーターショーが開催される年ですが、既報の通りVOLVOはモーターショーへの出展を絞っており東京には出展しないことが明白です。

ではどういった戦略を採るのでしょうか?

どうやら販売網を充実する方向での投資を行うようです。

2017年1月中に富山、堺、福岡、徳島と4店舗を一気にオープンさせるそうで、従来手薄だった地方の店舗を充実させるフェーズに入った感じですね。

クルマは単なる商品ではなく身近に安心してメンテナンスを頼めるディーラーがあってこそ成り立つビジネスです。

その意味でVOLVOの戦略は正しいと思います。

これで2017年の販売がどう推移するか、見ものでありますね。



■元気いっぱい!イタフラ勢
輸入車市場の盛り上がりはドイツ勢の活躍だけではありません。

ありきたりな選択肢とは違った個性を求める消費者がJEEP、Fiat、Abarthといったイタリア勢、そして我らがプジョーさん、ルノー、シトロエン、DSといったフランス勢にもなだれ込んできています。
(JEEPはアメリカブランドですがFCAグループとしてプラットフォームを共有しておりイタフラにカテゴライズしていいかと思います)

どのブランドにも言えるのは個性のある車種を用意したことが販売増に繋がっているという点です。

FCAJグループの欲しいと思わせる限定車を次々投入する戦略は相変わらず冴えてますし、プジョー&シトロエンは何と言ってもクリーンディーゼルが279万円〜という戦略的な価格で投入することで話題作りに成功しました。

加えてC4カクタスの投入により久々にシトロエンディーラーに賑わいが戻ったのも記憶に新しいところです。

C4カクタスは内部の情報統制ミスにより情報が錯綜するgdgdがありましたが、追加ロットも抽選販売となり相変わらず供給が追い付かない状況ですから、もう少しうまくやって欲しかったとは思います。


ルノーもようやくトゥインゴの販売を開始することができ、前半の苦戦を後半で挽回した格好となりました。

兄弟車であるスマートが、メルセデスの強い意向で日本向けの生産ラインの大半を押さえてしまったためトゥインゴの日本への割り当てが少なくなるという逆境がありましたが、年末にはMT仕様のZENをリリースするなどルノーらしいラインナップが揃ってきましたのできっちりと売って頂きたいところですね。

ただしルノーはインフォテインメントや先進安全装備への対応が遅れています。

この辺りが2017年のボトルネックになりはしないかと若干の不安を感じざるを得ません。



(つづく)
posted by 海鮮丼太郎 at 17:41| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 車(Car&Culture) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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