パンダ4x4登場

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現在の販売ボリュームに対して店舗の拡大戦略が急すぎるのではないか?
好調なことは喜ばしいが、店数が増える一方で売るものが限られるという不安のつきまとうフィアットブランドだが、やはりというか何というか、新たな車種が投入された。



先日のエントリーでは欧州でこの春に発表されたパンダ・クロスあたりを導入してくるんじゃないか?と書いたが、そのパンダ・クロスのベースとなるパンダ4x4が先に国内導入されることになった。

面白いのはそのキャラクターの位置付けだ。

 ・2,516,400円と輸入車メーカーの四輪駆動車としては最も安価。
  (次点は同グループのJEEPコンパスの3,369,600円)
 ・トルクオンデマンドによるAWDシステム
 ・フィアットブランドの車両として初めて、衝突被害軽減ブレーキ「シティブレーキコントロール」を搭載
 ・0.9Lマルチエアターボエンジン(89bhp、14.8kg-m)
 ・右ハンドルでトランスミッションは6速MTのみ
 ・限定340台


そもそもこのクラスでAWDが必要なのか?と問われると、ニッチではあるが実はニーズがあったりする。

本格的AWDとなれば、ジープやレンジローバーなどを買えばいい話だが、コンパクトクラスのAWDというのは、雪国などで日常的に使う大衆車というパズルのピースとしてぽっかり空いていたところだ。

こういうところを埋めるのがフィアットは本当に上手い。

余談だが、その昔ルノーがセニックRX-4という、ミニバンのセニックをベースに全高を高くしたなんちゃってクロスオーバーの走りのような車種があった。
国内にはAWDでMTのみという変態仕様を投入したが、さすがに時代が早かったのか、ほとんど売れずに販売終了となってしまった。

やたらと故障が多かったことを除けば、買った人の満足度は非常に高かったと聞く。
品質と時代を先取りしすぎて失敗してしまったということなんだろう。
あの当時のルノーにしては背伸びし過ぎたか。

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▲ルノー セニックRX-4


さて、パンダ4x4の話に戻るが。

限定340台というのは、万人向けではなく、本格的なAWDを欲しがるユーザの実数は現実的に見てこの程度だろうという予測から設定された台数だと思われる。

あえて限定数であることを煽るのは、

「欲しいと思ったらすぐに買わないとなくなっちゃうよ」

という心理的な圧迫効果を狙っているものと思われる。

こういったマニア向けなニッチ車種は、ダラダラと長い期間売り続けても販売台数はそれほど伸びない。

限定で短い期間でスパっと売ってしまった方が、次の施策に移れるのでインポーターにとっても好都合…というのはルノーが証明して見せた商法だ。

フィアットもFiat500シリーズの限定商法でそうしたオペレーションはお手の物だろう。


そんなパンダ4x4だが、ちょいと残念というか意外だったのがオフロード性能だ。

パンダ4x4のアプローチアングルは21°でディパーチャーアングルが36°なのに対し、なんちゃってクロスオーバーと見られがちなスズキ・ハスラーの数値はそれぞれ28°と46°という、ちょっと驚きの数字が出ていたりする。

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▲スズキ ハスラー

伊達にジムニーを作り続けてきたスズキのコンパクトだけのことはある。

まぁ、斜面だけがオフロード性能ではないので一概にこれでパンダ4x4が劣っているなどと言うつもりはないし、キャラクターで乗るクルマという昨今のフィアットのイメージ戦略に乗っかるには、それほど悪い選択ではない。


それにしても、これで一番割を食う形になってしまったのがフォードのエコスポーツだ。

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▲フォード エコスポーツ

新興国の荒れた路面でもタフに走れる走破性と、背面にタイヤを配したそのイメージの割に、日本に投入されたのは2WDのみで価格は246万円となっている。

サイズはパンダ4x4の方が一回り小さいが、AWDであるにも関わらずエコスポーツと価格があまり変わらないというのは大きく不利だ。

しかもエコスポーツはその名前の割にエンジンが従来の1.5LNAであって、フォードの新潮流であるエコブーストエンジンではない。
このあたりも商品力の弱さが出てしまっている。

フォードディーラーも、未だにエコスポーツをどうやってアピールしたらいいか考えあぐねているようで、-20万円値引きクーポンや低金利ローンなどの施策に頼っている状況だ。


ただ、この手の本格的なAWDモデルに関しては、ジープのレネゲードこそがイメージ的にも性能的にも一番日本に向いているのではないかと思っている。

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▲JEEP レネゲード

フィアットはどちらかというとカジュアル路線なので、パンダ4x4よりはパンダ・クロスの方が客層にマッチする気がする。

今後パンダ・クロスが入ってくるのかどうかはわからないが、なぜこのタイミングでこの車種なのか?というのはちょっと中の人に聞いてみたい気がする。




この記事へのコメント

  • L星

    昔トヨタのRAV-4に乗ってたので、いやーまたこういうのを乗り直したいという希望はありました(やや販売が遅きに失しましたが)
    ラダーフレームじゃないのでジムニーとは比較できないでしょうが、なんちゃってSUV・クロカンよりはましでしょう
    ATが載ったら何年後かには購入検討しようかと。まあその頃には販売終了してるでしょうがw
    2015年02月22日 09:08
  • 海鮮丼太郎

    >L星さん

    この手のクルマは日本が先駆けてブームをつくったのに、欧州で流行することには日本勢がダメダメになってるっていうのは何なんでしょうね。

    パンダにこのイメージはあまり無かったので性能面でちょっと気になりますが、ジープともプラットフォームを共有していますのでそれなりの性能は担保されているかと思われます。

    ジムニーほどではありませんが、今度出るジープのレネゲードはご希望に近いものかもしれませんね。

    いずれにしても選択肢が増えるのはいいことです。
    2015年02月22日 21:58

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