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2017年05月24日

華やかさを欠く東京モーターショー2017

TMS2017logo.gif

さて今年は東京モーターショー(以下TMS)の年ですね。

そんなわけで開催概要出展メーカーが発表になりました。

国産メーカーはいつも通りの顔ぶれですのでここでは輸入車ブランドに限定して見てみることにしましょう。

ってことで…

はいこの通りです。 
   
東京モーターショー輸入車ブランド出展状況
 2011201320152017
BMW Alpina
Audi
BMW
BMW MINI×
Citroen
DS××
Fiat×××
Alfa Romeo×××
Abarth×××
JEEP×××
Jaguar×
Land Rover×
Range Rover×××
Mercedes Benz
Mercedes Maybach×
Mercedes AMG
smart
smart BRABUS×××
Peugeot
Porsche
RADICAL××
Renault
TESLA×××
VolksWagen
Volvo××
KTM×××
Lotus×××
 T o t a l  18172115

リーマンショック後のパニックと言える状況だった2009年はアルピナとロータスだけという近代稀に見る大惨事でしたが、2017年はそれに次ぐ惨劇と言っても過言ではありません。

15ブランドとはいえ系列で言えば、

 ・VWGJ(フォルクスワーゲングループ)
 ・MBJ(メルセデスベンツグループ)
 ・BMWJ
 ・ボルボカージャパン
 ・PCJ(プジョーシトロエンジャポン)
 ・ルノージャポン

の6法人しかないわけです。

しかもメルセデスのサブブランドであるマイバッハ、AMGに加えて、ブラバスをわざわざ別カウントにして水増ししているあたり、自工会からの要請にメルセデスが義理立てをしている様子が伺えます。

それによってメルセデスグループが得たものは何でしょうね?
今後の輸入車市場におけるメルセデスの動きに要注目です。



■各ブランドの事情
新興国の自動車市場が拡大するに伴い日本市場の影響力低下が指摘されるようになって久しいですが、それを象徴するようにTMSに出展するメーカーも一時の賑やかさはどこへやら…といった状況です。

リーマンショック後の2009年、そして東日本大震災の起こった2011年は開催すら危ぶまれましたが、トヨタをはじめとした業界全体の努力によってなんとか体裁を取り繕うことができました。

しかしここ数年の傾向としてアジア圏では中国市場の存在感が高まったことによりTMSの出展を見合わせる、いわゆるジャパン・パッシング(Japan Passing)の傾向が強くなってきました。

フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーが出展を見合わせるようになったことで、TMSで憧れの名車を間近で見ることのできなくなり、これからの時代を担うクルマ好きを育てる土壌を失ったことは今後大きな影響を与えることになるのではないでしょうか。

また、アメリカのGM、フォード、クライスラー(いわゆるデトロイト3)が揃って出展を見合わせるようになって久しいですが、これは市場規模が小さいというビジネス的な判断もさることながら、日本とアメリカの(クルマに限らない)経済不均衡に対する政治的な圧力と解釈すべきではないかと思います。

しかしそんな中でも前回(2015年)は例外的にクライスラー傘下のJEEPがTMSに出展していました。

これはクライスラーがアメリカのメーカーでありながら資本的にイタリアのフィアットグループであったことが理由として上げられます。

国内市場におけるJEEPはセールスが右肩上がりに伸びており、フィアットグループとしても新しい柱として何としてでも日本に定着させたいという想いがあったのでしょう。

東京ビッグサイトの展示棟内ではなく階段とエスカレーターが交差する一番目立つアトリウムに出展していたのでご記憶の方も多かったと思います。

しかしそのフィアットグループも2017年は揃って出展を見合わせました

政治的な思惑というよりは、日本市場に対する取り組み方を変えてきたのかな?と少し気になっております。

昨今でこそJEEPとAbarthブランドは好調に伸びており、高級路線に行ったアルファロメオは台数を追わない利益重視でいいのですが、肝心のフィアットの屋台骨であったFiat500の販売がモデル末期ということもあって急減速しています。

フルモデルチェンジはまだ当分先ですし、仮にすべてを新しくしても今まで通りポップアイコンとしての地位を保ち続けられるかは未知数です。

そうした事情もあってフィアットグループが日本市場に対して距離を取ってきたのだとしたら、それはそれで少し悲しい気持ちになりますねぇ…


もう一つの謎の動きとして、イギリス勢の不参加があります。

BMWは出展するのにBMW MINIが出展しない。
ランドローバーもジャガーも出展しない。

仮にビジネスライクな判断だとすると、あれだけ日本市場に力を入れているBMWグループが、セールスも好調なBMW MINIをTMSでアピールしない理由はどこにもありません。


イギリスのEU離脱に伴い、どちらかというと諸外国との経済的な連携は強化していかなければならない状況にも関わらず、何らかの政治的な思惑が絡んでいるとしか思えない今回の動きの裏にどんな事情があるんでしょうかね?


逆にモーターショーの出展がビジネスメリットを見出さないとして、世界の主要3大ショーにしか出展しない宣言をしたボルボが、あっさりその方針を翻して4年ぶりにTMSに戻ってきます。

そもそもボルボがこうした方針を打ち出した経緯はこんな感じでした。


東京モーターショー2015にボルボは出ないだろうという話


プロモーションの手段が多様化したことによりモーターショーでのアピール以外の方法で集客ができるのであれば、それはそれで戦略の一つではあります。

特にSNSの活用は大きな可能性を秘めていましたので、ボルボがどのような新しいプロモーションで顧客を獲得していくのか、割と真剣にうぉちしていました。

結論としては、巧みな商品戦略によって販売を伸ばすことには成功しましたが、プロモーションとしてはさして革新的な試みが行われた感じもしませんでした。

正直言うと

        ∧∧
       ヽ(・ω・)/   ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、  ̄
     ̄

って感じではあります。

そんなわけで2017年に、ボルボの世界販売のうちたった2.7%しかない日本のモーターショーに再出展するわけです。

指を指してゲラゲラ笑ってやっていい事案じゃないでしょうか。
別にボルボに対して思うところがあるわけじゃないですが。



■TMSの位置付け
若者のクルマ離れに限らず、今後日本人のクルマ離れが加速することは疑いようもない事実として共有されるようになってきた昨今。

そんな中でモーターショーの位置付けは否が応にも変化せざるを得ないでしょう。

所有するだけの余力(財力)がある人向けによりステータスを高めていくか、より大衆方面にアピールしていくかという二極化が進むことになるかと思います。

一方で妙な形で花開いた日本独自の自動車文化は、TMSよりはむしろオートサロンがその受け皿としての役割を担っている感があります。

(いろんな意味での)クルマ好きというステータスに対するアピールは、むしろオートサロンの動向を見ていくべきであり、現にオートサロンはカスタマイザーだけでなく自動車メーカー自ら出展する動きが出てきております。

とはいえ、カスタムはベースになる完成車があってこその文化であって、これを以てTMSの存在感が薄れるという類の話ではありません。

TMSはどちらかというと手の届かないクルマの祭典から、自らのライフスタイルと直結したリアル、そして遠くない未来に触れる場としての存在感を提示する、ある意味地に足の着いた取り組みが主軸になっていく気がします。

そんな内容で人が集まるかどうかは知りませんが、テクノロジーからインフラ、法体系まで大きな変化がこの数十年で起こるわけですから、それらをわかりやすい形で啓発していく役割というのはTMS以外が担うのは難しいような気もします。

それらに付随する形で今度は空飛ぶ自動車とかそういった類の新しい次元のお披露目が成されていくのであれば、それなりにうまく回していくことが出来るんじゃないでしょうか。



■踏ん張りどころの大衆ブランド
前回はディーゼルゲート事件発覚直後だったこともありお通夜のような雰囲気だったVWですが、世界最大の自動車メーカーとしてのプライドを賭けて今年もちゃんと出展します。

そして地味ながらも継続的に出展を続けているフレンチ4(DS、プジョー、シトロエン、ルノー)の取り組みは、もっと高く評価されるべきです。
(DSはプレミアムブランドを名乗ってますが、現状では高価格帯の大衆ブランドの域を出ていません)

上記したように何らかの思惑によって出展したりしなかったりといった姿勢を見せるブランドと異なり、フレンチ4は(その出展内容は置いといて)日本市場に真面目に向き合ってきたと言えます。


昨年のフォードの電撃撤退により、海外メーカーは突然撤退することがあるから…という疑心暗鬼を生んでしまったのは日本の輸入車市場にとっては不幸な出来事でした。

そりゃ営利企業なんだから不採算なら撤退という選択はいつでもあり得るわけですが、クルマは買ったら終わりということでもないわけで、そのあたり慎重に選びたいという消費者の心理も理解できます。

富裕層であれば撤退で不便になったら下取り気にせず買い換える余力がありますが、大衆消費者層はそういった自由はなかなか利かないものです。

だからこそ真剣に比較検討し、間違いのない選択をしたいわけです。

そういった心理に訴えかけるのにTMSに継続して出展しているという事実は、少なくとも日本市場に対して前向きに取り組んでいる証左であり、消費者にもプラスに写ることでしょう。

逆に出展を取り止めると「国内から撤退するのかな?」と余計な懸念を生むことになります。

政治的な理由が見え隠れするBMW MINIについてはそのダメージはさほど大きくないでしょうが、フィアットに関してはそのネガティブイメージを払しょくする取り組みが必要になるだけに、今後どういったアピールをしてくるのかが非常に気になるところです。


そんなわけで、不甲斐ない国産車からの乗り換え需要はまだまだ旺盛ですし、VWを始めとしたドイツ勢から客を奪い取ることもまだまだ可能です。

コツコツやってきたのだからこそ、愛すべき大衆ブランドであるフレンチ4の皆さん(そしてVWも)はその成果を確実なものにすべくTMSでは積極的なアピールをしてくれることを期待します。

ちなみに、先日こんな立ち話をしましたとさ。


posted by 海鮮丼太郎 at 18:29| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 思(criticism) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

カングージャンボリー2017に行ってきた

そんなわけで、当方が春のイベントとして一番楽しみにしていたルノー主催のファンミーティング『ルノーカングージャンボリー2017』へ行ってきました。

今年は気合を入れて早めに到着を目論んでいたのですが、まさかの嫁さん寝坊で出発が大きく遅れ、到着したのは12時近くになってしまっておりました。
そのためステージイベントならびに駐車場に勢ぞろいした各ルノー車をゆっくり堪能する時間が取れなかったのが悔やまれます。

前日の大雨の影響でカングー専用駐車場は大きな水溜りになっており一部が使用できず、また当日も曇天という状況でここ数年の快晴に比べると条件的にあまり良いものではありませんでした。

しかし12時過ぎに来場した台数が昨年を超えたというアナウンスが会場に流れました。
(速報値として、総参加台数 1977台、うちカングー 1243台、来場者4226名。ともに過去最高)

たとえ条件が悪くても、このイベントのために全国から多くのルノーファンが集まったわけです。

このブランドロイヤリティの高さこそが、昨今のルノー躍進の原動力と言えるでしょう。

ただし、台数が増えるということはいろんな問題も出てくるということになるわけです。
特に懸念されるのがこちらのツイートです。

駐車場を巡っては昨年も駐車方法に関する物議をかもしたことがありましたが、今回のように不測の事態により専用駐車場のスペースが減らされるようなことがあると、それを避けるためにできるだけ早く現地到着したいというオーナーが増えることが予想されます。

特にカングージャンボリーの場合全国からオーナーが集まるわけで、地方組は早めに着いて仮眠を取りたいといった要望もあるでしょう。

カングーのイベントなわけですからカングーオーナーは専用駐車場に停めたいという気持ちが強いのは理解できます。

一方で会場の誘導や受け入れ体制には限りがあります。
(ルノー主催ではありますが山中湖村をはじめとする地域の協力で成り立っているイベントです)

オーナーがあまりに前のめりな姿勢で大挙して早朝に押し掛けると周辺住民に対しても迷惑を掛けることになります。

この辺りはオーナーの方の自制心とルノーの公平かつ納得のいくルールが敷かれることを期待します。


さて、そんなカングージャンボリーですが、今年も沢山のオーナーの方が思い思いに主張したカングーを拝見することができました。

また恒例のフリーマーケットでは念願だった京都のテクノパンさんのトートバッグをゲットできてご機嫌でありました。

他にもいろいろ買い物したり娘さんを連れて会場内を歩き回ったりと非常に楽しいひと時を過ごしました。

イベントに全体に対する感想は昨年書いたこととそう大きく変わりませんでした。
これは手抜きではなく、昨年感じた持論がさらに強化された、と言ってもいいかもしれません。

ですのでこの辺りを改めてご覧いただければ当方がカングージャンボリーにどのように魅力を感じているかをご理解いただけるかと思います。

クルマのイベントは底上げの発想が必要(1)

クルマのイベントは底上げの発想が必要(2)



少し補足するなら…
当方が注目していたホスピタリティの高さが実際はどうだったのか?という点です。

子供が中に入ってビヨンビヨンと飛び跳ねるキッズアクティビティは今年も充実していましたが、ステージ横の建物の2Fでは、キッズ向けのお絵かき&折り紙コーナーが設けられておりました。

こちらの様子を覗いてみると、カングーの塗り絵や折り紙を楽しんでいる子供たちがいっぱいいました。

この建物には授乳室や救護室も用意されており、幼児を連れた家族連れにとってはこうした設備が充実しているととても助かるものです。

昼過ぎにはリサとガスパールが登場して一緒に写真撮影タイムがあったりと、家族連れでも参加者みんなが楽しめる配慮が随所にされておりました。


また、ペット同伴の来場者に対するホスピタリティとしてドッグランも用意されており、ワンちゃんたちのストレス解消に一役買っておりました。
(地味な話ではありますが、トイレにはペット用トイレまで併設されておりました)

こうして小さな子供連れやペット同伴でも参加しやすい配慮があると、より多くの人が参加しやすくなります。
年々右肩上がりに参加者が増えているのは、こうした背景があるからでしょう。

いいイベントに育ったと思います。
これは何よりルノージャポンさんの努力と自主的に祭りを楽しむカングーをはじめとしたルノーオーナーの皆さんが共に作り上げてきたものだと思います。



後日その他のルノー車ならびに(国産他メーカーの参加台数の詳報が発表されると思いますので、そにれ合わせてもう一つの視点からエントリーを書いてみようと思います。






posted by 海鮮丼太郎 at 23:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 催(event) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月13日

2049のスピナーがプジョー製?

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なんですか、コレは?



んー?


posted by 海鮮丼太郎 at 07:44| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 車(Car&Culture) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月11日

新型3008はプジョーの集大成のようなクルマだった(2)



原稿を未完成のまま寝かせすぎて鮮度が落ちてしまったので簡略版で公開します。
本当はこの3倍のボリュームがありましたw

ってことで

新型3008はプジョーの集大成のようなクルマだった(1)

の続きとなります。5ヶ月も経って続きも何もあったもんじゃないですが。


2016年末に先行して発表され全国キャラバンが行われた新型3008でありますが、ガソリンエンジン仕様だけを台数限定で販売という妙な形で販売がスタートしました。

で。

売り方について言いたいことは山ほどありますが、商品としての新型3008は新世代プラットフォームと新たなデザインフィロソフィーによる提案が高度な次元で成立した、プジョーさんの歴史の中でも割とエポックメイキングなクルマになるのではないかと思いました。


■インフォテインメントのお手本としてのi-Cockpitのデザイン
新型3008を個人的に最もオススメしたいのがこの第2世代i-Cockpitのデザインです。

この件について書くには当方が運転席周りのデザインについてどう考えているかという背景から説明しなければなりません。

そのため、まずはこちらのエントリーにお目通しください。

クルマにおけるタッチUIの理想的なポジションは?



プジョーさんは欧州車の中では比較的早く2012年に発表した208において大型のタッチディスプレイを採用しました。

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▲208のセンターコンソール

208のセンターコンソールは従来低い位置に配置されることの多かったモニタを運転視界に近いところに配置しております。

ちなみにその前の207はこんな場所にありました。

207jp_interrior.jpg
▲207(日本仕様)のセンターコンソール

207uk_interrior.jpg
▲実は207の欧州仕様のモニタはちゃんとした位置にあるんですけどね…



208は音楽機能などはタッチ操作になったもののエアコン操作は従来通り物理スイッチを併用しており、運転中の操作にそれほど大きな問題は発生しないデザインとなっております。



そして翌年の2013年に2代目となる308がデビューしました。

新型308から運転席周りの新しいデザインを“i-Cockpit”という名称でアピールし始めました。
(後に208もi-Cockpitの呼称を使用)


308_interrior.jpg
▲308のセンターコンソール

特徴的なのは208と同様、タッチスクリーンを運転目線に近いところに配置した点ですが、新型308の良いところはエアコンの吹き出し口をモニタの左右に配置することで、モニタの設置場所を高く出来た点にあります。


とはいえ小径ハンドルとその上から覗き込むメーターというレイアウトは共通性があるものの、センターコンソールの思想については新型308と208ではまったく異なったアプローチを見せました。

208は必要最低限の物理スイッチは残しましたが、新型308は極力スイッチを排し、大型タッチスクリーンに機能を集約する手法を取っています。


デザイン的な見栄えでは新型308のスッキリした感じはエレガントな雰囲気を漂わせることに成功してはおりますが、タッチスクリーンの階層メニューが複雑になっており目的の操作に辿りつくのが面倒という声をよく聞きます。

実際、当方が触ってみても洗練度が足りない印象を受けました。

これは何も308に限った話ではないのですが、インフォテインメントとして機能が増えれば増えるほど階層メニューの操作が複雑になってしまいます。

その解決のための提案として新型308は「エアコン」や「サウンド」「設定」といったよく使う機能のショートカットを大型タッチスクリーンの左右に配置しています。

20141109005.JPG

しかしこれは物理スイッチではなくタッチパネルであるため、操作をするのに目視での確認が必要となります。

つまり、運転中にエアコンの操作をしようとすると、どうしても目線をモニタに移す必要があるということです。


運転中に操作する可能性が高いタッチスクリーンの操作が複雑化すると、画面に気を取られて事故を起こす可能性が高まるため非常に危険であるというのが以前からの当BLOGの主張です。

“技術は人を傷つけてはならない”

安全性と利便性はトレードオフの関係ではないのです。


機能の複雑化は目を瞑るとしても、せめて運転中はタッチスクリーンへの視線移動と操作時間を最小限にすることが運転席周りのUI(ユーザインターフェイス)の開発においては最優先事項であるべきです。

その意味でカーナビの普及が早くそのあたりの知見が多い日本車メーカーがスクリーンををダッシュボード上部に配置するデザインを採用しており、これは世界的に見ても高く評価されるべきポイントです。

また一貫性は欠くものの、トヨタがスピードメーターなどをステアリング正面ではなくダッシュボード中央に設置する、いわゆる「センターメーター」の取り組みは情報が複雑化する流れの中では賞賛されるべきチャレンジだと思います。

完全自動運転時代まであと数十年掛かるわけですし、それまではあくまでドライバーが運転に集中できる環境=よそ見による事故を防ぐ環境を作ることが最優先であるべきです。


参考までに最新の日本車のデザインを確認しておくことにしましょう。

newCX-5_interrior.jpg
▲新型CX-5のセンターコンソール


他にも軽自動車を含むほとんどの日本車が運転目線に近いところにモニタを配置しており、この辺りの知見では世界のトップレベルにあることがわかります。

4thPRIUS_interrior.jpg
▲4代目プリウスのセンターコンソール

ただし4代目プリウスはセンターメーターこそ理想的な位置にありますがタッチモニタの位置が先代より下部に配置され、操作性で退化してしまっています。
危険というほどではありませんが、褒められるレベルではありません。



■ジェット機のコックピットを模した初代3008のデザイン
さてここで話はガラっと変わります。

初代3008は外観こそMPVとハッチバックのクロスオーバーでありキャラクター的にはカピバラに例えられる、どちらかといえはファニーな印象でした。


しかし運転席周りのデザインは従来のプジョー車とは異なりドライバーが運転席に包まれるようなパッケージングとなっており、そこにアクセントを加える形で7連トグルスイッチが配置されておりました。

プジョーさんはこれを“ジェット機のコックピットを模したデザイン”と宣伝していました。


男の子的にはこの手のギミックは大好きだったりするわけですが、トグルスイッチを含めたコックピット感の演出はBMW MINIがさらにその何枚も上手の演出を仕掛けてきました。

BMW_MINI_Toggle_Switch.jpg
▲BMW MINIのトグルスイッチ


プジョーさんの7連トグルスイッチに割り当てられた機能も、必ずしも必然性が感じられるものではなく…

old3008_toggleswitch.jpg
▲先代3008の7連トグルスイッチ

左から

 HUD(ヘッドアップディスプレイ) ON/OFF
 HUD照度調整
 HUD角度調整
 ハザード
 ディスタンスアラート 警告時間設定
 ディスタンスアラート ON/OFF
 ドアロック

といったもので、トグルスイッチの演出と実際に割り当てられた機能にはイメージ的に開きがあったのは事実であります。

トグルスイッチというのは罪なもので、男の子にとっては変形やら特殊武器の発射やら加速装置やらといった、ある種の「特別なギミック」を実行するトリガーであるとDNAレベルに深く刻まれているのです。

特にジェット機のコックピットなどと表現してしまった以上、HUDの角度調整では満足感は得られません。

BMW MINIとは掛かっているコストがまるで違うので同列比較するのは可哀想ではありますが、演出の仕方はもう少しなんとかならなかったのか?という思いも抱いてしまいます。

実際、このトグルスイッチを積極的に使っているオーナーさんはどれぐらいいるんでしょうか?



■対象的なVWのアプローチ
話を新型308に移します。

今でこそVWのゴルフを相手に立派に存在感を発揮するまでに至った新型308ですが、当初はi-Cockpitのアピールに苦心しているように思われました。

タッチスクリーンの階層メニューがあまり洗練されていない点についてはすでに書きましたが、そのスクリーン位置は運転中に目視、そして手を伸ばして操作するのに絶妙の場所に設置されていることを当BLOGでは高く評価していました。

簡単に言えば、エアコン吹き出し口よりディスプレイが上部に設置されていれば合格。
エアコン吹き出し口より下にモニタが設置してるのはNGという評価を与えていいと思います。

新型308はモニタの左右にエアコン吹き出し口を配置しており非常に合理的なデザインであります。

これに対して世界的ベストセラーでありVWのフラッグシップでもあるゴルフはどうなっているでしょうか?


VWゴルフはマイナーチェンジを受けてもディスプレイ位置がエアコン吹き出し口の下にあり、タッチ操作も必然的に視線を下げざるを得ません。

vw-golf-old-vs-new-interior.jpg
▲VW GOLF(7代目)のセンターコンソール(MC前/MC後)

最新のSUVであるティグアンでも同様のデザインとなっております。

newTiguan_interrior.jpg
▲新型ティグアンのセンターコンソール

オートックワンのティグアン紹介記事の渡辺陽一郎さんの写真を見て頂ければ、当方が何を言いたいのかご理解頂けるかと思います。(視線の矢印は当方で加工)

nerTiguan_watanabe.jpg

“運転中にタッチ画面の操作はしてはいけない”なんて建前の話はどうでもいいんです。
現に操作出来てしまう以上、人間は運転中でもタッチ操作のために画面を見ます。

だからこそ、そのような状態でも出来る限り危険な状況にならないように配慮するのがUIの基本であるわけです。

フェイルセーフ&フールプルーフの発想です。

“Volkswagen Car-Net”が機能的に素晴らしいという点に異論はありません。

しかし機能的に優れていれば当然その機能を使う回数も増えるわけです。

カーナビ画面に限らず頻繁にモニタを見てタッチ操作を行うということを想定した場合、残念ながらVWが運転中の視線移動について真剣に取り組んでいるとは当方にはどうしても思えません。



■第2世代i-Cockpitは過去のトライアルの集大成
さて、ようやく新型3008の話になりました。

新型3008は第2世代i-Cockpitと称されたデザインを売りにしておりますが、これはプジョーさんが208からトライアルしてきた様々な取り組みのまさに集大成とも言えるデザインと解釈しました。

初代3008=7連トグルスイッチによるコックピット感の演出
208=理想的なディスプレイポジションを確立
新型308=タッチディスプレイに機能を集約

では、新型3008は…?

 ・理想的なディスプレイポジション
 ・さらに複雑な機能が集約されたタッチディスプレイ
 ・7連トグルスイッチに主要機能のショートカットを割り当て

new3008_interrior.jpg

当方が新型3008をチェックして一番感心したのが、7連トグルスイッチの演出を実用的な機能に再定義した点でした。

革新的なアイディアではありませんが、i-Cockpitが単なる目新しさの演出ではなくインフォテインメント時代に安全性と実用性を兼ね備えた、非常に意欲的な提案だと思います。


タッチスクリーンでできる機能をあえてショートカットとして7連トグルスイッチに割り当てることは、一見するとムダに感じられるかもしれません。

また、新型308では物理スイッチを極力排してエレガントなダッシュボードを演出したのに、それに逆行するような動きでもあります。

ショートカットの発想は新型308のタッチパネルの左右にも8つのショートカットが設置されているためまったく新しいアイディアではありません。
しかし新型308のショートカットはタッチパネルの一部であり、そこにアクセスするためには画面を注視する必要がどうしても発生します。

それに対して7連トグルスイッチは物理スイッチであるため、慣れれば手探りで目的のスイッチをONにすることができます。

可能であればこのスイッチへの機能の割り当てがユーザ自身でカスタマイズできると面白いと思うのですが、まずはこうして運転中に画面を見なくても主要な機能へのアクセスが物理スイッチによって可能になったことを大いに称賛したいところであります。

昨年末の目黒のキャラバンでマーケティングの方にこの点を指摘して最大限にアピールすべきというお話をしたのですがどうもピンときてなかったようであります。

普段運転しながらなに考えてるんですかね?

ってことでミッドタウンでお会いした中の人にはこの点を熱く語っておきました。
その真意が伝わってるかは定かではありませんがw



そんなわけで、新型3008を検討される方は試乗の際に運転視線からタッチパネルに目を向けてみてください。

そして競合として検討しているクルマで同じことをしてみてください。

その時、視界に何が写っているか。

その答えがi-Cockpit 2.0であるわけです。



P.S.
蛇足ですが。
上記はあくまでモニタ位置と物理ショートカットスイッチは絶賛していますが、肝心の機能面については触れていません。

昨年末に聞いた日本語ローカライズの修正が間に合ってないとか、CarPlay&Android Auto正式対応はどうなっているのか?といった点も含めてまだまだブラッシュアップすべき点が多々あるのも事実です。

この部分の完成度をどれだけ高めることが出来るかが、今後のi-Cockpitの評価を左右する重要なポイントだと当方は考えています。

  
タグ:3008 2nd
posted by 海鮮丼太郎 at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 車(Car&Culture) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月09日

免許の更新に行ってきた。そして思ったこと。

20170508koushyu.JPG

お誕生日は4月24日でした。
今からでもいいのでなんかください。

あなたの知らない方が良かった欲しいものリスト 

ってことで、今年は免許更新の年になっておりまして、手続きは誕生日から前後1ヶ月の猶予があるのでいつ更新するか?を考えておりました。

4月は仕事が忙しかったし、GW中は運転免許試験場も大混雑という話題を聞いてたので素直に有休を一日取ってGW直後に訪れてみたわけです。


作戦成功。
超余裕。

クルマの違反で捕まったことはこの10年で一度もなかったんだけどバイクですり抜けやったら一度捕まって残念ながら一般講習を受ける羽目になりました。

とはいえ1時間お話を聞いてればいいので大したことはありませんが。
(違反者講習は2時間です。お疲れさまw)

で、講習と言えばお約束の安全意識を高める目的のビデオを見せられるわけであります。

昔であればさだまさしの「償い」のストーリーのような実録形式で

“事故を起こしたら一生後悔するぞ!”

みたいな精神論のようなものが多くありました。

もちろん事故を起こせば一生後悔することになるのは当然ですが、具体的に何をどう危機感を持って対応すればいいのか?というのはわからずに終わることが多かったので個人的にこの手のビデオの効果には懐疑的でした。

その後「かもしれない運転」「ヒヤリ・ハットへの対策」といった実践的な内容が増えてきましたが、事故原因の再現はスタントを使った寸止め映像ばかりでリアリティに欠けました。

ちなみにこうした講習用に使われるビデオはこんなラインナップになっているんですね。

しかしさすがにドライブレコーダーの普及により映像がたくさん記録されるようになって、講習で使われる映像も具体的なものになっていました。

ってことで今回講習で使われたのはドライブレコーダーで録画された事故の映像を元にその原因と対策を説明するという、より実践的なもので非常に好感が持てました。

ただこの手の映像の性質上、やたらとタクシーのドラレコ映像が多いんですよね。
相手に原因がある場合が多いんですが、そもそもタクシーが客を拾うための突然の停止や車線変更がかなりの事故を誘発している現実もあるわけで、そっちもなんとかしろよとは言いたくなりますが。

聴講している周りの人を観察した感じでは、この手のビデオで特に啓発したい若年層や女性層が食いつくように観ていたので効果としてはけっこうあったんじゃないかと思います。

20分程度のビデオでしたが、これらに加えて昨今問題になっている運転中のスマホやタッチパネル操作によるよそ見運転の危険性も啓発して欲しかったな、とは思います。

ってことでその後性格診断の自己テストとここ数年で改正された法律について簡単な説明を受けて講習は終わりました。

朝一番で試験場に入ったのですべて終わってもまだ10時でした。
さぁ、遊びに行くか!ってことで早起き、そして混雑しないタイミングで動けた有意義な一日でありましたとさ。

ちなみにアクセスが悪く混雑することで有名な神奈川県の運転免許試験場(二俣川)ですが、いよいよ建て替え工事が始まるそうです。

20170508kanban.JPG

次回の免許更新で訪れるときは新しい建物になってるんでしょうね。



最後になりますが、事故の危険性(例えばよそ見運転)を啓発するにはこれぐらいの映像を出来るだけ多くの人が目にする媒体(たとえば地上波TV)で放映すべきというのが当BLOGの主張です。


すべてのハンドルを握る者へ


ちなみに上記の映像は啓発目的に制作された作りものですが、こちらはリアルな映像です。



運転する気がなくなりそうになりますが、これが現実です。

だからこそ、クルマの陰から子供が飛び出してくるかもしれない。
一時停止を無視してクルマが突っ込んでくるかもしれない。
前を走る自転車がいきなり前を横切って曲がろうとするかもしれない。

こうしたリスクを意識しながら適切な車間距離とスピードで運転することが必要なんだと思う次第であります。

突然飛び出してくる歩行者を検知して完全に停止できるレベルの自動ブレーキ(およびアクティブセーフティ)の実現まで少なくともあと10年は必要です。

ドライバーが判断して対応しなきゃならない状況はそう簡単に変わるわけではないのですから。







posted by 海鮮丼太郎 at 00:00| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 思(criticism) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする